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刀剣男士と私の本丸事情
あたたかな本丸



大倶利伽羅の目薬が出るなら意外と目に優しそう。

「……ぃ」

いやでも、クール度が性格に比例するなら清涼感マシマシかも?

「…………か?」

それならそれで滲みるほどの愛を!
私は受け止めてみせる!

「……審神者」

『へ?』

名前を呼ばれて間抜けな声が出た。

「あんたは何を言ってるんだ」

大倶利伽羅が眉間にシワを寄せて私を見ていた。

『え、全部口に出てた?』

「全部かは知らん」

全部本音なので聞かれて困ることでもない。

『大倶利伽羅の目薬欲しいなーって。中身が最高の清涼感でも買って使い切ってみせる!』

「俺を何だと思ってるんだ」

『冷たい態度の代表?』

でもそれは極になる前の大倶利伽羅の話だ。

「言ってろ」

ぎゅっと珍しく抱き締め返してくる。

『今の大倶利伽羅はあったかいよ』

「そうか」

態度のことを言ったのだが、伝わっただろうか。

『ホット目薬とか出ないかな』

「温めれば良くないか」

成分が変質するからだめなやつ。

『目薬は温めてはいけません』

「なら温かい茶でも飲むといい」

体を温めたいのなら理には叶っているけれども。

『それ違う。まあいいや、大倶利伽羅があったかいから』

「そうか」

ふっと笑った大倶利伽羅に、私もつられて笑う。

「なんだ」

『なんでもない』

欲しかった目薬はなくとも、愛する彼らはここに居る。

「おーいきみたち、甘い雰囲気のところ悪いが俺がいるのを忘れてやしないかい?」

横でお茶とカステラを食べていた鶴丸が割り入ってきた。

『忘れてないよ』

「ああ」

「ならいいさ。にしてもこのカステラ最高に美味いぞ」

言われてふわふわのそれに手を伸ばして頬張る。

『はむ……うん!めっちゃ美味しい』

「美味いな」

温かい部屋と美味しい茶菓子と刀剣男士。

ここは私の愛するほっとな本丸だ。



<終>


⇒おまけ・鶴丸


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あきゅろす。
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