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刀剣男士と私の本丸事情
これが愛というやつか



「ちょっとやりすぎたかぁ?」

赤くなってしまったおでこを突つく。

『もー、つつかないでってば』

額をさする姿が可愛いと思ってるなんて、言えねえよなあ。

「なあ」

『ん?』

俺を見上げるその瞳に問う。

「俺はあんたの何にならなり得るんだろーな」

俺はあんたの孤独を知っていたが、あんたは俺の求める答えを知っていた。

『あなたは私の大切な同田貫でしょう?』

ほんと、敵わねえよなぁ。

「っはは、違いねえや」

俺はあんたの愛刀、同田貫正国。
あんたが愛した付喪神だ。

『悩みは晴れた?』

だから悩んでねえっての。

「俺は愛されてたんだよなぁ」

『何を今更。私は最初から言ってたでしょう?』

愛ゆえに、ってか?

「わかってなかったのは俺だな」

よしよしと頭を撫で回す。

『……髪が乱れるのは嫌だけど、嫌いじゃないよ』

いつもはやめろって騒ぐくせによぉ。

「こーいう時は、好きだって言うもんじゃねえのかよ」

『はいはい好きですよー』

唇を尖らせる姿でさえ、眩しい。

「俺も好きだぜ」

好意を乗せた言葉は、あんたに届いただろうか。

『ふふ、知ってる』

結局俺は、あんたが笑ってりゃあそれでいいんだよなぁ。

これが愛というやつか。



<終>


⇒あとがき


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