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刀剣男士と私の本丸事情
倶利ちゃんを可愛いがりたい



馬小屋には大倶利伽羅が居た。

常備してある干草をせっせと交換している所みたいだ。

「?……あんた、そこで何してる」

視線に気付いたのか、声を掛けられた。

『馬の世話を焼く倶利ちゃんの観察?』

「バカなのか?」

冷たい視線をいただいた。

『おはよう倶利ちゃん』

「おはよう、長谷部なら来てないぞ」

何故長谷部を探しているのがバレているのか不明だ。

『うん、見れば分かる』

先に来て世話をした痕跡も無かった。

「なら他を探して来ればいい」

『つれないこと言わないでよ』

近くにある籠には人参と大根が入っている。

『これデザート?』

馬の主食は基本的には大麦や燕麦、トウモロコシなどだ。

「採れたてだ」

馬の為に収穫して来たのだろう、服の裾に土がついていた。

『優しいね』

すっと近寄ってパンパンと汚れをはたく。

「俺は別に気にしない」

『そこはありがとう、でしょ』

つんつんとほっぺを突つく。

「痛い」

『あ、顔に土ついた』

「…………」

視線が痛いっ。

『取りますごめんなさい』

頬についた土を払う。

「はあ」

『うわー、お肌すべすべだね』

必要以上に触っていたらキッと睨まれた。

「噛みつくぞ」

がるる、と一瞬狼耳が見えたのは気のせいだ。

『えっ!?本気で言ってる!?』

若干わくわくと待ち構えてみる。

「言ってない、あんたは何で嬉しそうなんだ」

言い出しっぺにバッサリ切られた。

『懐かない狼が、甘噛みしてくるような感じで可愛いなあと』

「理解できないな」

ガシッと手首を掴まれ、頬から遠ざけられる。

「あんたには長谷部がいるだろう」

『長谷部は長谷部、倶利ちゃんは倶利ちゃん。大好きだー、愛してるーっ!!』

わしゃわしゃーっと頭を撫で回す。

「愛玩動物か俺は」

『倶利ちゃんが短刀達よろしく小さかったら抱っこして寝たい』

チビくりとか……可愛すぎてもう。

『もっと可愛がりたぁいーーっ!』




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あきゅろす。
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