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刀剣男士と私の本丸事情
おじいちゃんの所業



『ところで何で三日月を探してたの?』

長谷部が探してると国俊が言っていたけれど。

「ああ、そのことですか。俺の部屋から菓子器が無くなりましてね」

『え、』

あの美しい木目調の、冒頭のあれですか。

「塩煎餅とおこしが入っていたはずなんですが……お食べになったで しょう?」

それはもう美味しくいただきました。

『うん、ごめん』

「いいんですよ、もともと主に持って行こうと思っていた物ですから」

『そうなの?』

だったら安心だ。

「はい。三日月と愛染に食べさせるつもりでは無かったんですが……それから」

『?』

「三日月の遠征について、追及しなければならないと思いまして」

『遠征?』

最近は遠征中心に活動してもらっているが、何か問題があっただろうか。

「遠征に行く度に何故か軽傷になって帰ってくるんです」

『何それ初耳』

一体何をしているのやら。

「俺としては、毎回の手土産と関係があると踏んでいるんですが」

『あー、ありそう』

1人で出陣しているに違いない。

「でしょう?単独行動は控えてくれないと困ります」

心配する長谷部が微笑ましくて笑みがこぼれた。

『ふふ』

「どうして笑っておられるんですか」

きょとんとして聞く長谷部。

『いや、長谷部がお母さんみたいで』

「心外ですね、あんな年寄りのお守りなど御免です」

眉間に皺を寄せて長谷部はむすっとした。

「主には世話を焼きたいですが」

にこっと口角を上げられて、ちょっと可愛く見えた。

『うっ、その一言は余計』

「本心ですよ」



<終>


⇒あとがき


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