[携帯モード] [URL送信]

刀剣男士と私の本丸事情
夜戦続きの国俊



『煎餅かおこし食べる?』

「へへっ、いいのか?」

国俊はおこしを口に入れた。

「うめー!」

『……国俊ごめんね?』

「え?何が」

うちにはまだ明石が来ていない。

『何度も三条大橋に出陣させてるじゃない?それなのに明石が見つからないし』

それどころか、いつも怪我をして帰ってくる短刀と脇差達に申し訳無かった。

「あー、それなぁ。オレ達の力じゃまだ安定した戦いができねぇんだ、謝りたいのはオレ達だぜ」

悔しいのは私だけでは無かったと言ってくれる。

「主さんならきっと国行を見つけられるさ!他の刀剣男士も見つけてきたんだろ?!」

そう落ち込むなって、とぽんぽん背中を叩く愛染がすごく大人びて見えた。

『うん、ありがと』

「それに国行は面倒臭がりだからなぁ。子供が1人増えるようなもんだし、気長に頑張ろうぜっ!な!」

なんていい子!

『国俊、今度お祭りしよう』

「本当かっ!?」

ドカーンとはいけないけれど。
ちょっとしたものなら可能……なはず。

『う、うん。あんまり期待しないでおいて』

長谷部と要相談だ。

「くぅーっ!そう言ってくれるだけで嬉しいぜ!」

抱き締めたい思いをぐっと堪える。
こら、こらえ……られなかった。

『国俊っ、ありがとー!』

ぎゅううっと国俊を抱き締める。

「うぉっ!それはオレの台詞だぜ、ありがとな!」

熱い抱擁を交わす。

「……主?」

突然呼ばれて振り返ればそこに長谷部が。

『……はい?』

何このパターン、前にも無かったか。

「審神者様」

『ごめんなさい浮気じゃないんです国俊が健気で可愛くてそれで』

「オレは可愛くないだろっ!」

ぱっと手を離せば、長谷部に引き寄せられる。

「悪いが愛染、主は」

「あ、そうだった。三日月さんなー、どっか行っちまった」

長谷部の言葉を遮って要件を話す国俊に拍手を送りたい。

「は?」

『あー、それがね。長谷部が探してること伝えたら探しに行っちゃって』

「居場所教えてねぇのにな」

国俊と顔を見合わせ、うんうんと頷き合う。

「……まったく、また仕事を増やす気かあの天下五剣は。はあ分かった、報告ご苦労」

「おう、じゃーオレ行ってくる。祭りのことよろしくな!」

蛍丸と一緒に内番に行ってもらう予定だったことを今更思い出す。

『うん、行ってらっしゃい!』

国俊を見送って、長谷部の方へ顔を向ける。

『えーっと、長谷部?』

「行きましょうか」

笑顔で言われて、どこへとは聞けなかった。

『はい』




[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!