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無茶をする異世界人


どうやら俺が朝比奈さんをグラウンドの外へ連れ出している最中に、ハルヒのボールを取り損ね、挙句バランスを取り損ね、足首を捻ってしまったらしい。
結構派手にこけたらしいが、角度のためか古泉たちには気づかれなかったから無理にでも続行したという。馬鹿かこいつは。

「赤くなってるな…」

「ひねってるだけならすぐ治るよ。湿布だけちょうだい」

自分で手当てしようとする名前を制して、俺は湿布を取り出した。サイズの一番でかいやつだ。透明なシートをはがし、患部に当てると「うひょあ!」とマヌケな声が上がる。
それから包帯でぐるぐると巻くと、まるで犬の糞でも踏んでしまったかのように嫌そうな顔をした。

「なんで包帯…」

「こうでもしないとまた無理するだろうが」

「……」

何も言わないところを見ると、その通りなのだろう。変なところで嘘がつけない奴だ。
最後にポンと軽く叩いてやった。あいた!と声を上げる。見ろ、そこまで痛いくせに。そんな状態で野球なんかできるわけないだろうが!
なんて、言葉にせずとも十分心配してやっている俺の気持ちなど露ほども知らず、名前はサポーターを買いにドラッグストアに駆け込もうとするものだから、俺は必死に襟首を掴んで家から出させないように必死になったのだった。




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