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絶叫系はお好き?


ハルヒの宣言どおり、次の乗り物はジェットコースターだった。
全く何もわかっていない朝比奈さんだったが、ハルヒが近くにいるため名前も説明することができず、ついに恐怖の乗り物へと到達する。

「さっ!座席を決めるわよ!」

やはりハルヒがどこからともなく爪楊枝を取り出し、俺たちに向かって突き出してきた。
不思議探索でいつもやる手段だ。色は白・色なし・赤。座席は二つなので色は三つ。

「あら、みくるちゃん?」

「す、す、涼宮さん」

「…………」

「長門か。よろしくな」

「では、よろしくお願いします、名前さん」

「うん!よろしく!」

座席のペアは上記の会話どおりだ。
とりあえずハルヒと朝比奈さんがペアになったのは失敗かもしれん。果たして、彼女の悲鳴にハルヒがどこまで耐えられるか……。いや、逆にS心をくすぐられるかもしれんな。
座席に座り、ベルトを締める。上から固定する器具をつけられ、ゆっくりと乗り物が進んでいく。
朝比奈さんはいまだにこの乗り物がどうなるのかはわかっていないらしく、ひたすら「???」と首をかしげるばかり。ああ……、悲鳴が響き渡る。
加速していく中、後ろに座っている古泉と名前がのんきに会話している。

「ジェットコースターなんて久しぶりだよ〜。いいねえこのスピード感」

「絶叫系がお好きなんですね」

「でも、バンジージャンプとかは怖いかな。古泉くんは?」

「嫌いではない、と言ったところでしょうか。少なくとも、今は名前さんが一緒なのでとても楽しいですよ」

「またまたー」

どこのバカップルかというような会話をしている二人をよそに、ジェットコースターは急激な斜面を上り始めた。わかる、わかるぞ。かんかんかん、という音がして、頂点に達したら、その後は…………

「ひいいいいいやあああああぁぁぁああああああああああああ!!!!!!」

………これが誰の悲鳴かなんて、明記しなくてもわかるはずだ。



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