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未来人の役割


「まず……、銃で名前ちゃんを攻撃しようとしたのは私の独断です」

「……はい?」

いよいよわからなくなってきた。独断で名前を撃っておきながら俺たちの味方だと?あれは運よく顔をかすっただけで、あと少しずれていたら死んでいたんだ。偽者の弾ではなかったことは俺も名前も知っている。

「どういうことですか、それ」

「はい。そうですね……本当は当てるつもりはなかったんです。私、銃の腕はまだまだなの。だから、名前ちゃんに当たった時はひやひやしました」

いや、そういうことじゃなくて。なぜ銃を使ったのかということを知りたいんですが。
と問いかける前に俺の顔を見てわかったのだろう、苦笑交じりに朝比奈さん(大)が続ける。

「あれは、『未来人は危険だ』という認識を名前ちゃん、そしてあなたに持ってもらうための行動でした。未来人は私一人じゃありません。現にキョンくんは、私以外の未来人と接触したことがあるでしょう?」

「……はい」

その瞬間、あの古泉の笑顔がひねくれた、みたいな笑顔が浮かんで来る。藤原と名乗った男。今思い出してもムカムカするぞ。

「彼は危害を加える立場ではありませんが、監視という形であなたたちの周囲にいます。心当たりは?」

「ええと……そう言えば、あったような気が」

監視というほど見られていた気分はしないが、そういえば以前、喜緑さんが名前となって名前は病院に隔離されていたときに、誰かに見られている気はした。病院を出た後に妙な視線を感じたことを覚えている。

「でも、それが何か……?」

「彼のように“監視”という役割でいる場合は問題ありません。ただ、名前ちゃんの存在を消すことを念頭に動いている未来人もいる。本来、未来を変えることはしてはならないことですが、彼女の存在はイレギュラーですから。隙あらば、という考えの人は少なくないんです」

なるほど、言い分はなんとなくわかってきた。



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