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部屋割り相談


執事が新川氏、メイドが森園生さん、館の主人の田丸圭一さん、田丸裕さん。登場人物はこれで終わりのはずだ。
古泉の、歯の浮くような(寧ろ浮いて空に飛んで世界一周してもそんなに違和感は無い)言葉で俺たちは紹介されたのだが、なんというか、名前は心の底から恥ずかしそうに肩を竦めてたっけ。あいつ、褒められるのが苦手なんだろうなあ。顔を真っ赤にして、始終俯いていた。
俺だって結婚相談所での紹介文みたいな内容に口から黒糖を吐き出すかと思ったんだぞ。じと目で見ても名前は反応を返さない。
寧ろ、その、顔を赤らめて俯く様子が、恋する乙女のようでなんだかムカついた。古泉の言葉でそんな真っ赤になるな、あいつはこのくらいのことしょっちゅう口にするぞ。多分。

一人一部屋という豪華なものを与えられ、俺たちは早速荷物を置きに行った。
別にツイン3つでも良かったんだろうがな。人数的には二・二・二で丁度いいし。しかし、じゃあツインにしようかと提案が出たその瞬間、珍しく名前が「だめ!」と言ったのだ。理由は言わなかった。すぐには言わなかったが、やや遅れて。

「…えっと、その、わたし、寝言とかうるさいから。シングルにしたほうが、いいよ」

「うーん、まあ確かに一人のほうが気楽かもね。じゃあそうさせてもらいましょう」

「では、一人一部屋ということで」

こういうことだ。
名前は申し訳無さそうに顔を伏せていたけれど、まあ仕方ない。名前の知っている世界では、恐らくこれが正しいルートだったんだろうからな。規定事項ってやつか?名前の歪みを調整した。それだけのことだ。

「では私は新川たちの様子を見てくるよ。今のうちに邸内を自在に散策してくれたらいい。非常口の確認を怠らないようにね。それでは」

圭一さんがそう言って去った後、律儀に名前と朝比奈さんは非常口の確認に行った。まあ、何かあっても長門がいれば何も心配は無いと思うがな。



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あきゅろす。
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