純粋なお願いごと
というわけで、私は今古泉くんの背中を追っている。
さすが男の子というべきか、肩幅も広くて、殴っても蹴ってもあんまりびくともしなさそうな…って何を考えてるんだ私は。昨日格闘技なんか見たからか。
「古泉くん、どうかしたの?」
「いえ。純粋に、お話です」
「キョンのいるところじゃ駄目なの?」
「聞かれてしまうと、多少問題が生じますね」
問題が出るなら仕方ないな。
私はふうと息を吐き、古泉くんに言われるがままに進んだ。どこに向かってる…って、ああ。なんとなくわかったぞ。ハルヒたちが出て行ったデッキとは真反対のデッキだ。
「どうぞ」
「あ、どうも」
差し出された椅子に腰を下ろす。
近くにあった売店からわざわざ飲み物を買ってきてくれた古泉くんに会釈をすれば、にこやかな笑顔が返って来た。
「さて、手短に言わせていただきます」
「はい、なに?」
なんでもドンと来いですよ!
なんて無駄に胸を(心の中で)張っていたけど、やっぱり何を言われるかちょっとドキドキする。
古泉くんは含みのある笑顔を浮かべたかと思うと、トンとテーブルに肘をついて、器用に片手の人差し指を上げる。
「共犯になっていただきたいのですよ」
「……………はい?」
頭の中でそれを理解するまでに、計15秒は要したね。あっ、なんかうっかりキョンっぽくなってるけど、お気になさらず。
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