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ふざける問題


一気に名前の顔が青ざめ引きつる。逆に俺の顔は笑みになった。いや、楽しかったわけでも面白かったわけでもない、無茶苦茶すぎて思わず笑ってしまっただけだ。

「どれがいい?戦闘服って言ったらこないだみくるちゃんが着たウェイトレス服でもいいけど、もうちょっと露出が少ないほうがオススメね」

「えっ、いやいやいや」

冗談じゃない、と言わんばかりに両手を振った名前と、クリーニングに出していたのかビニールのかかったままの衣装を片手ににこやかに名前へ近づくハルヒ。
どうやら本気で嫌がっているらしいことが表情からわかるので、助けておくことにする。

「いい加減にしろ、ハルヒ。阪中にとっては深刻な問題なんだ、ここでふざけて時間を潰すつもりか?」

「うるっさいわね。あたしにとっても深刻な問題よ!ちゃんと事件を解決するためにも、マジメに取り組まなきゃいけないの!」

だったらせめてもう少しマジメな顔をしろ。あんなニタニタした顔で近寄ってきたら真面目もクソもあるか。
どうせこちらが真面目に取りあったところで、ハルヒの謎の理屈が火を噴くだけだ。何カ月も付き合ってきたんだ、そのくらいわかるさ。
そう思ったので、早々名前の腕を掴んで外に連れ出す。ハルヒがギャーギャー騒いでいたが無視だ無視。
もう少ししつこくからんでくるかと思ったが、思いのほかあっさりとハルヒは口を閉じた。

「仕方ないわね」

驚くほどあっさりとあきらめたハルヒが、朝比奈さんに的を絞り着替えへと移行する。邪魔になってはいけないからと部室を飛び出た俺、古泉、俺に引っ張られた名前。長門は椅子に座りこんだままだったし、阪中は恐らく出るタイミングを失った。
ぱたん、と扉が閉まった後で、名前が大きく息を吐く。

「きょ、キョン。ありがと」

「ああ」

個人的には見てみたい気もしたが、嫌がるのを無理にさせてもな。
そんな俺たちのやりとりを見て、古泉が軽く笑う。何を笑われているのかはわからなかったがいやに腹が立ったので、軽く睨みつけておいた。



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