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最高責任者


「この、ヘボ生徒会長ッ!!」

大きすぎる怒号を上げて入ってきたのは、当然ながらハルヒだった。いつも以上に眉を吊り上げて、視線を会長一点にぶつけている。今にも飛びかからん勢いのハルヒをどうしようかとりあえず見下ろしてみたが、突然会長に掴みかかるようにも見えなかったので放置しておいた。

「あたしの忠実なしもべたちを集めて何しようっての?まさか、有希をいじめてたわけ?そこのキョンをいじめるなら好きなだけすりゃいいけど、有希だけは許さないわ!もちろん名前もみくるちゃんも古泉くんもよっ!」

フンフン荒い鼻息でも聞こえてきそうだな。

「てゆーか、何よっ!こんな面白そうなことするならあたしも呼びなさいよ!あたしを除けものにするんじゃないわよ、SOS団の最高責任者はあたしなんだからねっ!」

入ってきた瞬間は面倒くさいやつが来ちまった、と思ったが、責任を俺たちになすりつけるんじゃなくて、自ら責任者だと言い切るところはまあ評価しても良い。が、折角名前がうまく取りまとめて穏便に終わりそうだった問題を、今にもぶっちぶちに破り捨ててしまいそうなこの状況はいただけんな。

「どういうことよ、呼び出すならまずあたしでしょ!?団長のあたしをハミゴにするなんて、あんたらほんとに生徒会なの!?」

「まあまあ、落ちついてください、涼宮さん」

さすがに止めなければと思ったのか、古泉が止めにかかった。が、ちょっとどころではなくヒートアップしているハルヒを止められるやつなんていやしない。

「こうなったら全面対抗戦よ!言っとくけど、あたしはどんな勝負でも逃げないからねっ!そっちがが泣いて土下座するまで許さないわ!!」

無茶を言う。
生徒会長は呆れているのか何なのか、ハルヒの怒りの言葉を止めることもなくじっとたたずんでいる。キミたちがなんとかしろ、とでも言わんばかりの視線をこちらに向けられたが、やれるもんならとっくにやっているとも。ここまできたら、もうこいつが自主的におとなしくなるまで耐えるしかないのだ。そのうちがなり疲れて小休憩でも取るだろうから、そんときにでもなんとかすりゃいい。

「キョン、あんた何ボーッとしてんの?相手は生徒会長よ?解りやすいあたしたちの敵じゃない!もっと毅然とした態度で、強く睨みつけなさい!」

なぜそこまでせねばならん。俺が。
もう最初の怒りは消沈してしまったし、今は若干生徒会側が可哀想に思えてきたくらいなんだから、哀れな視線は向けられるが睨みつけるなんてこたあできないね。同じハルヒの被害者なのではないかと思えるほどの同情心まで湧いてきている。



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あきゅろす。
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