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ドタバタラブコメ


結局それで二人の間には一応の理解が生まれたらしく、ユキとイツキはお互い頷きあって、会話が終わった。
ユキはそこで退散し、部屋には再びイツキとミクルだけが残される。が、今度はイツキは不埒なまねをしようとは思わなかったようだ。うん、よろしい。


そこでCM第二弾、主演女優二人と助演女優一人によるヤマツチモデルショップのプロモーションビデオをご覧ください。


というわけで、CM明け。
事態は大きく、というか、妙な方向に変化する。
簡単に説明すると、バトル(になっていたかと聞かれると素直に答えられることができないが)からラブコメに変化したのだ。さらに説明するのも心苦しいほどだが、具体的にはミクルがイツキの家に居候することになった。
イツキのために毎朝毎晩料理を作るミクル、毎朝学校に向かうイツキを送り、家に帰ってくるイツキを迎えるミクル、少し指が触れあっただけで赤面するミクルなど、何年代のラブコメだと意味もなく叫びたくなるような展開だ。

まさかそのままだらだらとラブコメが続くはずもなく、事態はさらに新たな展開を見せた。なんと、ユキがイツキの学校に転校してきたのだ。いや、別に高校に通っていたわけではないだろうから、転校という言い方はおかしいか。
とにかく、そのような形で、イツキとミクルの間に邪魔が入ったわけだ。他にも涙ぐましいことに、イツキの幼馴染の少女が健気なアピールをしていたが、一緒に暮らすミクルにはかなわない。そこへ現れたユキの存在は、少女にとっては二人の邪魔をしてくれる味方に見えたのだろう。

ユキはどうやら正攻法をやめたようで、イツキを籠絡することにしたらしい。やたらとイツキの前で健気な姿をアピールするような、精神的にくる行動を繰り返し、ラブコメはドタバタ学園ラブコメに変化した。そう変わってはいないか。
精神的に攻めるのもやめて所構わずイツキに抱きつくユキにミクルが嫉妬したり、またその情報を聞きいれて少女が動揺したり、ミクルもミクルでアピールしようと思うが恥ずかしさが先立ってうまく動けなかったりと、見ようによっては非常にもどかしい展開なのだが、いかんせんグダグダすぎる。

……ということに、監督も気づいたのだろう。物語は急な転向を迎えた。



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