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いろいろな視点から


そのままユキはミクルの上にマウントをとり、暴れるミクルを押さえつける。

「ひえっ!?あぎゃ、な、ななな長門さ……」

はたしてこの後、ミクルはどうなってしまうのか?ユキはこれからミクルをどうするのか?
と、盛大な謎を抱えたまま、ヒロインたちによるCMが挟まれる――。



そして、CMが開けた瞬間、画面に映し出されたのはしょんぼりとうなだれるミクルの姿だった。

「はあ……」

結局あの後どうなったのか、お互い敵同士ならばユキはあそこでミクルを生かしておくべきではなかったのではないだろうか、とあらゆる疑問が浮かぶが、やはりそれは流れ的に深く考えないのがベストなのだろう。

「ミクルビームが通用しないなんて……なんとかしなくちゃ」

どうやらユキに敗れたあと、大人しく商店街に戻ったらしい。また文具店に入り、とぼとぼと二階に上がったかと思うと、おもむろに着替えを始める。当然ながらシーンは暗転し、再び映像が入るころには、ミクルはバニーガールの姿へと変身していた。
こういった話にありがちな変身シーンはどこにもなく、ただリアルな着替えによって姿を変えただけだ。
ということは、これからミクルはバイトに出かけるらしい。戦いのあとに働くとは、真面目なのか抜けているのか。やはりとぼとぼと階段を下り、商店街へと出て行った。



一方そのころ、イツキは一人で歩いていた。浮かべている表情はいっそすがすがしいほどのうすら笑いだが、なまじ顔が整っているだけにその笑顔も自然なものに見える。
そのイツキの後ろから、駆けてくる少女がひとり。

「イツキーっ!」

「おや」

「偶然だね。一緒にかえろう」

いささかぎこちない雰囲気はぬぐえないが、にこやかにほほ笑みながら少女とイツキは一緒に歩きだした。少女はイツキの幼馴染、名前である。そしてさらにその二人を、遠くから見つめる影がひとつ。
ユキだった。



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あきゅろす。
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