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神様の心配


「名前、なんだか疲れてない?」

ハルヒが呟いたのは急だった。
四限目が終了した直後。昼食の直前。国木田と話をしながら弁当を取り出す名前を見て、ハルヒは短い息を吐く。

「多分そうよ。溜息を吐く数が多くなったわ。それに、動きも鈍い。ちょっと隈も出来てるわね」

お前の観察眼は恐ろしいな。
と、言いたいところだったが、それは俺も気づいていたことだった。伊達に一緒に暮らしてないさ。名前は弁当片手にこちらへ走ってくる。動きが鈍い――まあ今に限ったことではないが、と言えば絶対怒るだろうな。

「名前、ちょっとこっちに来なさい」

「うえっ?」

名前はびくっと震えて、恐る恐るといったようにハルヒの元へと近づく。弁当は俺の机の上に置いた。ハルヒはおもむろに手を伸ばしたかと思うと、名前の頬をぎゅうっとつねる。

「五限目は寝なさい。保健室に行けば無条件で休ませてくれるわよ、多分。いいわね?」

「え、えーっと、うん?」

納得なのか疑問なのかどっちかにしてくれ。
名前は一瞬俺を見たかと思うと、ハルヒに視線を戻す。困惑したような視線だったが、それもまあ仕方の無いことだろう。ハルヒに理由を聞いたってわけがわからないだけだ。恐らく心配なだけだと思うがな。
とりあえず頷いた名前は、弁当を広げてゆっくりと食べだした。ハルヒは食堂に向かう。俺と名前、谷口と国木田が来て、なんだか微妙な空気のまま昼休みは経過した。




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