不自然な理由
最近、名前の様子がおかしい。
最近と言っても一昨日と昨日だけだが。
一番不自然なのは、何かとそわそわするようになったこと。それから、国木田とやたら話すようになったこと。俺と目が合ってもすぐそらし、まるで隠し事をするようにこそこそと過ごすようになった。
一昨日はSOS団に来なかったし、昨日は来たが、やたら落ち着きが無かった。今日もなにやらハルヒと話をしている。ハルヒは少し怒っているようだった。
名前が席に帰った後で、俺はハルヒに問いかける。
「何の話をしていたんだ?」
「名前が、これから何回かSOS団の活動に参加できなくなるかもって言い出したのよ」
ぷんすかと頬を膨らませるハルヒに詳細を求める。
「あたしだって詳しくは知らないわ。けど、名前の友達の妹が引きこもりらしくてね。その友達に、助けてくれって言われてるらしいの」
「じゃあお前が助けてやればいいだろう」
「あたしもそう思って、言ったわ。そしたら、その妹が激しい人見知りをするようなのよ。名前は面識があるから大丈夫だそうだけど」
「………」
明らかに不自然だ。
俺はそうか、と言って、その話は終わった。名前がSOS団に来れなくなることがそんなにも嫌なのか、ハルヒよ。よかったな名前、だいぶ気に入られてるみたいだぞ。
そしてやはり放課後、名前はSOS団に来たことは、来た。しかし、いつもの教師姿にはならず、長門や朝比奈さん、古泉と二言三言話をして、すぐに帰る。帰る間際、ハルヒに何度も謝っていた。
「随分憤慨してるようだな」
「…そりゃ、団員全員が揃わないと面白くないわよ。だけど、簡単に口出ししていい話題じゃないでしょ」
「……」
本当のところはどうなんだろうな。
俺はそれきり不機嫌に黙り込んだハルヒを見て、小さく溜息を吐いた。
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