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背中に書いたすきの二文字
爽快に走る白石のチャリの荷台に跨って、部活の備品の買い出し。
みんなが部活しとる中出かけるっていうんは何か楽しい。
肌に感じる風は涼しくて気持ちいいんやけど、ニケツしとって漕いでない俺は結構暇。
手持ち無沙汰に目の前の白石の背筋をなぞってみる。


「ちょ、謙也こそばいんやけどっ」


くすぐったさにもぞもぞ揺れる体。
そんなの気にせずに背中に指を這わす。


「なんて書いたか?」
「けんや、やろ」
「当たりー……次は?」
「ちょ、まじこそばい」
「……はい」
「…くらのすけ」
「正解」


次何書こう、なんて考えたものの特に思いつかん。


「……………」


背中に人差し指を這わすとぴくりと跳ねる。

、、


二文字書いて、じわりじわりと顔に熱が溜まる。
きっと耳まで赤い。
誰に見られるでもないけれど、それを隠すようにぺたりと目の前の背中に顔を埋める。


「…謙也」


白石がしゃべるとその振動が伝わってきた。


「……なん、」
「むっちゃちゅーしたい」


更に体が熱をもつ。
覗き見えた白石の耳も赤く染まっていた。





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20100328


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