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X=(恋+時間)×愛
「景吾ー」
「…………」
「景ちゃん?」
「……」
「けーい、けいけいけい」
「…何だよ」


漸く返ってきた反応。
だが、正直「何」はこちらのセリフだ。
家に帰ったきり、ぺったりとくっついてきた。
何時もなら触ればうざい、第二声には邪魔だ、と。
付きまとうのはてだちらかというと俺のポジションなのに。
今とて、ソファで寛ぎながらテレビを見ている俺の肩に
ことりと頭を置いて、しきりに俺の指をいじって、絡めて。


「何かあった?」
「…別に」


そっと頭を撫でると、きもちよさそうに目を伏せる。

…なにこのかわいいこ。


「俺が甘えちゃダメなのかよ?」
「んーん?珍しなぁ思て」


ぎゅう、と指を絡めて手を握られる。


「たまにはいいだろ」


そのままずるずるとずり落ちていって、落ち着いたのは膝の上。
所謂、膝枕。
しばらくもぞもぞしていたかと思うと、
いい場所があったのか落ち着いた。


「ゆうし」
「ん?」
「……………」
「…なん?」


ぐるっと体を回して、仰向けになって。
猫のように目を細めて、
口は弧を描いて。


「呼んだだけだ」


…頬が熱い。


「真っ赤だぞ、顔」
「…うっさいわ。景吾がかわええこと言うから」


柄にもなく、照れてしまった。
すっと延びてきた手が髪に差し込まれて、
かりかりと優しく、混ぜるように撫でられる。
それが気持ちよくて、目を細める。


「景吾」
「ん?」
「どしたん、今日。むっちゃ可愛ぇ」


もう片方の手も髪に差し込まれ、じっと見詰められる。
それだけでまたなんだか照れてきて、頬の熱がとれない。


「甘やかしてやろうと思って」



―――完敗です。





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[ X=(恋+時間)×愛 ]

昨日エグくてえろいの書いたので、
バランスをとるためにあまーーーーいのを。
男前な受がすきです。

20090416


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