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Rot
      Ein schöner schöner Schmetterling,
      捕まえた、捉まえた、逃がさないよ、決して。









やわやわと衣服の上から相手の性を刺激する。
その刺激から逃れるように暴れれば、繋がれた鎖が騒々しく音をたてる。
たが憔悴しきった身体を押さえつけるのは簡単で、
容易く下半身を露わにする。
布越しでない直接的な刺激に、過敏に反応を示す。
的確に性を煽っていけば、それは、意図もたやすく果ててしまった。


「早かったなあ…?」


べっとりと手に付いた白濁を、ひと舐め。
随分と濃いそれに、口元がつり上がる。
荒い息を繰り返している彼の口に、精液の付いた手のひらを押し付ける。

「舐め?自分の出したもんやで」

拒むことも許さない。
指に力を込め無理矢理に開口させる。
それでも従わない。
口に擦り込むようになすりつけ、押し付けると手を引いた。

口元にはべったりと彼の放ったものが。
口に入ったものを吐き出そうと何度も咳き込んでいるが、
開いた口内には粘り気の強い白濁がべったりと纏わりついている。
優しいともいえる手つきで口周りの白を拭い、彼の口の中へと押し付けた。


「んッ、ぐ…!」
「全部飲みぃや」


吐き出さないように口を押さえる。
それを振り払おうと必死に首を振るが、
もう片方の手で後頭部からも押さえ込めば
頭ひとつ固定させるなど簡単だ。
そのまま上へ向かせれば、涙の滲んだ顔がよく見える。
口に含み続けるのに疲れたのか、息苦しさに耐えきれなくなったのか。
ゆっくりと喉が嚥下していくのを見て、漸く彼から手を離した。
ゴホゴホと咳き込み、気持ち悪さから
飲み込めない唾液は糸を引いて下へと垂れる。


「よくできました。ちゃんとできた子にはご褒美やらななぁ?」


用意しておいたものを、ポケットから取り出す。
コインくらいの小さな容器で、
中には軟膏のようなものが詰まっている。
それをひとすくいし、手を後ろに回し、
本来排泄にしか使わない場所へと擦り付ける。
憔悴しきった身体では、暴れようにも
身体が思いどおりに動かないようだ。
抵抗しようとする身体わ片手で簡単に押さえ、
後ろの穴へ軟膏を馴染ませるように刷り込み、
固く閉じた穴を指先で刺激する。


「ヒッ、やめ、ろ!」
「全然使ってないんやね?綺麗な顔しとるから
随分使い込んどるもんやと思ってたんやけど」

綺麗なまんまか。


そう漏らすと、顔を真っ赤にして睨んできた。
だがこんなに嬉しいことはない。
こんなに美しいのだ。
それに若い。
慰めもの、でなくても誰かに手は出されているものだと思っていた。
しかし彼はまだ清廉。
ここに触れるのは、自分が初めて。

なんと、嬉しい、ことか。

本当に“すべて“手に入れることができる。






「っあ!?何、熱、…ッ」
「効いてきた?」


指を這わせば、ヒクヒクと収縮を繰り返し、
固く閉ざされていたそこは緩くほぐれはじめている。
つぷ、と指先を挿入すると、侵入を拒むようにぎゅうと締め付けられる。
一度手を引き、指に軟膏を絡ませて再び穴へ。
今度は内部へ塗り付け、中へすりこむようにゆっくりと、奥へ。


「痛っ、く…いや、だっ!ぅグ、」


必死に拒絶しようとする身体を無視し、
たっぷりと時間をかけて中を堪能する。


「ンあっ!」


腰にくる嬌声。
反応したあたりを重点的に塗り付けるように動かせば、
ひっきりなしに声が上がり。
触れてもいない性器は再び熱を持ち出しており、
随分ほぐれたそこは物足りないというように締め付け、
指を引き抜くと異物の抜けたそこはまだ開いたままで
ひくひくと誘うように蠢いていた。
目は欲を孕み、浅い呼吸を繰り返す。


「自分素質あるなぁ」


薄く開いたままの口に口づけ、そのまま舌を忍ばせる。


「っ!」


がり、と音がしそうなほど。
思い切り噛みつかれた。
寸でのところで舌ゆ引いたものの、
軽く切れてしまったようで血の味が広がる。
赤を含む唾液を吐き出し、睨みつけてくる亜麻色の髪を掴む。


「…まだ元気そうやな」
「誰が…テメェなんかにッ」
「いつまでもつかなぁ?その威勢」
「ふざけんな、…っ!?」


びくりと身体を大きく震わせる。
もじもじと膝を摺り合わせる様子に、笑みを深くした。


「随分耐えてたな?熱かったやろ」
「は、っぅ…」


目いっぱいに涙をため、ビクビクと身体は痙攣するように動く。
誘うように揺れる下半身は、無意識だろう。
先ほどの軟膏を取り出し、目の前に掲げる。


「これな、媚薬なんやけど…ただの媚薬とちゃうねん。
麻薬に近いもんでな、使う量間違えると廃人になってまうんやて」


聞こえているのかいないのか。
熱に侵された瞳は虚ろで、熱を払うように腰をふる。


「ぁ、ぁ、熱…ッ、痒、ィやぁ!は、ッんあ…」


くねらせていた腰を後ろに突き出すと、
壁にあたり驚いたのかびくりと体をゆらす。
が、自分から壁に尻を付け、そこに擦り付けるように動く。
壁の冷たさが気持ちいいようだ。
すりあわせていた膝は徐々に開き、一番熱い穴を冷やそうと
必死に足を開き、上下に擦る。


「…きもちいい?」


声を掛けると、理性が少しもどってきたのか動きを止める。
が、それも薬が溶かしてしまい、痒さに耐えれず再び壁に擦り付ける。


「っ痒ぅ、あつ…は、――ッ、」


熱に侵された体は快楽に従順で、熱さは脳を溶かす。
欲を宿した瞳は、刺激を求めていた。


「助、…ッふ、ん、ぁ あ 」


耐えきれなかった涙がついに零れた。
それを舌で舐めとれば、ぶるりと身体が揺れる。


「どこが痒い?」


ぺろりと耳をひと舐めし、息を吹き込むように問う。


「っぁ、後ろ、ッ」
「後ろのどこ?」
「…ふ、後ろの、あな…っ」
「ふーん…どうしてほしい?」


また一筋涙が落ちる。


「掻いてッ―痒、い!」
「…お願いしますは?」
「ッ!…ぉ願、ぃっ…し、…!」



――――墜ちた。



「よくできました」






















「あぁああああッ」


がりっ、と爪を立てて、おもいきり引っ掻いた。
それだけで悲鳴を上げ。
もっと、と言わんばかりにすり付けてくる。
その反応に気をよくして、かりかりとそこを刺激し続ける。


「あ、はぁ、ッん―、ん ぁ、もっと、」
「もっと?」
「なか、もッ 痒いっ――ッ」


ぐちゅりと、薬がすれる。
一気に二本、指をねじ込む。
散々焦らされ、侵されたそこはひたすらに刺激を求めて収縮を繰り返す。
ひっきりなしに上がる嬌声は、指を引き抜こうとすると、
無意識にいやだと零す。
ぐじゅぐじゅと響く水音が激しさを物語るが、
それに痛がる様子などなく。
気をよくして、もう一本指を増やす。


「―――ァあッ」


ぎゅうと締め付けられる指。


「ここ?」


強すぎる刺激に、声は音にすらならなかった。
涙と含みきれない唾液で顔はぐじゃぐじゃ。
彼のいいところ、たぶん前立腺、を集中的に刺激する。
すっかり性器は頭を擡げ、腹につきそうなほど反り返っている。


「もっと、欲しい?」


耳元で呟けば、理解しているのかいないのか。
必死に頷き、指を締め付けてくる。
一気に指ゆ引き抜くと、縋るような目が見つめてきた。


「ふ、ぅ…、や…」


自然と揺れる腰。
彼の中心からは先走りがこぼれ滴り。
自身の前を寛げ、すっかりと張り詰めている熱を取り出しゴムを被せる。
そのままぶち込みたいのは山々だが、薬が移ってはかなわない。

片足を肩に掛けさせ、後孔に擦り付ける。
未だに刺激を求めているそこは、それだけで腰を揺らし、
早くも飲み込もうと収縮を繰り返す。


「…淫乱、ッ」
「ッあああ あぁあああああ!」


一気に押し込めば、指とは比べものにならない質量と圧迫感に悲鳴があがる。
切れてしまったのだろう、赤が目に映った。
キツい。
が、それ以上に気持ちいい。
少し揺さぶれば激しく水音が鳴り。

思い出したように彼の張り詰めた熱に触れる。
ぎゅう、と一層中がしまり、絞り取るかのように蠢く。
あがる嬌声を吸い込むように口づけ、
ラストスパート、と激しく竿を擦りあげ最奧を突き上げた。
一際大きく揺れ、欲ひ放った瞬間。
事切れたように、意識を手放した。




ずるりと自身を引き抜けば、気を失っているというのに軽く締め付けてきた。
散々貪ったそこはまだぱっくりと開いたままでひくひくと収縮し、
赤く腫れ上がっている。
切れた箇所から血か伝い足に赤い筋をつくっていた。


じゃらりと重い音をたて、何日ぶりかに鎖から解放してやる。
優しい手つきで横たわらせ、足に伝う赤を舐めあげていく。
傷口まで上り詰め、ちゅうと軽く吸い上げる。
そして、腫れ上がった後孔に舌を這わした。
つぷ、と舌をねじ込ませ、唾液を送る。

唾液が、あの薬の中和剤、になるらしい。

べたべたになるほどに舐めあげて、最後に軽くキスをして離れた。




彼のズボンを履かせ、上は自分の上着を掛けてやる。
解いた鎖はそのままに、彼を寝かせたまま、ゆっくりと扉を閉めた。










zerstören, zerbrechen, kaputtmachen
堕ちておいで、はやく。


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[ Rot ]
 →赤(独)

のつづき。
跡部さんに痒がってほしかったのが書きたいがために書いたえろ(^p^)
こんなに長いの書いたの久し振りだよ・・・

跡部→捕虜
忍足→敵国の准将あたりで偉いひと
っていう脳内設定。
にしても名前が全くでてきませんね(^^)

20090415


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