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Target 6:Sei



Target 6 Sei



ツナの家の夕食は、予想以上に美味しかった。
ツナママって本当に料理上手なんだな。


「桃ちゃん、ご両親がいないんですってね。
独り暮らしって大変でしょ?」

「ま、まぁ…でも、家事はそこそこできるんで大丈夫ですよ!」


ツナママが心配してくれるのがとても嬉しかった。
ランボやイーピンとも仲良くなれたし、なんかこれぞトリップの楽しみって感じ。


「そういえばリボーン、ディーノさんに九条の家庭教師頼んだって言ってたよな。
でもディーノさん、部下がいないとすごい頼りなくなるんじゃなかったっけ?」


「だからロマーリオにだけ一緒に来てもらうんだ。
桃の家は広いし、二人住み込んでも問題ないだろ」


跳ね馬ディーノは割りと好きだからちょっと楽しみ。
一つ屋根の下だなんてディーノさんファンは卒倒しそうだな。







「ご馳走様でした!」

「またいつでも来てね」


ツナママに見送られて沢田家を後にする。
と言っても隣だけど。
リビングでひとりテレビをつける。
この時間帯、面白い番組はやってなくて、仕方ないからイタリア語の番組にチャンネルを合わせる。
するとその時、インターホンが鳴った。

ドアを開けるとそこに立っていたのは、渋い中年男性を従えたイケメン金髪男。

「あ………」

「"跳ね馬"…ディーノさん?」


当のディーノさんはなぜかこちらを凝視したまま固まっている。
隣のロマーリオに小突かれて我に返ったようだ。


「わ、悪ぃ。
お前が桃だな?
今日からよろしく頼むよ」


ディーノさんを中へ通す。
うん、近くで見るとますますかっこいいな。


「リボーンの頼みとは言え、まさかオレが家庭教師やる事になるとはな…
ま、責任持ってボンゴレにふさわしい戦闘力を身に付けさせてやるよ」

「は、はい、お願いします!」


特訓は明日からという事で、今日はディーノさんに色々な話を聞かせてもらった。

自分が"跳ね馬"と呼ばれるようになった時の事。
キャバッローネファミリーの事。
そして、ボンゴレのこと。

年上だし、敬語で話してたら「敬語はなしな」って頭を撫でられた。
ディーノさんってなんだかお兄さんみたい。
ロマーリオさんはお父さんのような感じ。
家族がいないあたしにとって、二人の間はとても温かかった。


「そういや、何で桃は独り暮らしなんだ?
しかもこんな広い家に」

私に家族がいないことを、ディーノさんは知らないのだ。


「あたしが10歳の時、ウチの親、蒸発したんだ…妹だけ連れてね。
まあでも、今はこの方が気楽だし、使わない家具とか売ればお金入るし」

「お前…」


ディーノさんは少し申し訳無さそうな顔をした。
別に、あたしは構わないのに。


「そ…それにね、今度バイトしようかなって思ってるんだ。
これ以上物がなくなっても寂しいし…わわっ」


いきなり感じた、温かいぬくもり。
あたしはディーノさんに抱きしめられていた。
いつの間にかロマーリオさんいないし。


「そんな話を平気な顔でするな。
お前の家族<ファミリー>はボンゴレにある…
その事は覚えておけよ。
それに…」


そう言ってディーノさんはあたしの額に唇を落とす。

「オレも、ずっとお前の傍にいる」


「………ありがとう」


     ファミリー
新しい家族

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あきゅろす。
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