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Know
Target 3:Tre




さて、一晩明けて今日は9月1日です。
並盛中学校は今日から新学期。
リンクの好意で並盛への編入手続が既にされていた。


「しかし…おとなりさんにも挨拶してないってぶっちゃけあり得ねーだろ?」


まあ、外出るついでにしてくりゃいっか。
早々に身支度を済ませ、家を出る。
ああ、なんか並盛の制服って感じでコスプレ感覚なのは否めないよ。
とにもかくにも、おとなりさんの家の前まで行く。


―――あれ?


私は表札をみて首を傾げた。


「沢田…?」


まじでか。
沢田さんちの綱吉君のお家なのか。
高鳴る心臓をおさえながらインターホンを押す。


「はーい…って、あれ?
君は…?」


わ、ほんもののツナだ!

「あの、あたし隣に越してきた九条桃って言います。
その、ご挨拶に来たんで良かったら」

それとなく菓子折を差し出す。
あたし、良い娘さんやね。


「あ…オレは沢田綱吉、よろしく!
その制服…並盛なの?」


「うん、2年生。
君もなんでしょ?」


「そうだよ。同じクラスだったら良いね!
あ、そうだ。せっかくだから一緒に学校行かない?
引っ越してきたばかりって事は、まだ並盛に慣れてないでしょ」

「あ、ありがとう!すごく助かる」

「良かった。ちょっと待ってて」


ドアが閉まって暫くすると、支度を終えた綱吉が出てきた。

綱吉とは意外に話が合った。
綱吉の家にいる変わった子供たち(多分リボーンやランボ)の事や、学校の話など、いろんな話をした。


「十代目!おはようございます!」


そんな声が聞こえて、振り向けばタコ頭…もとい獄寺隼人が立っていた。


「あ、獄寺君おはよう!」


獄寺は隣のあたしに気付くと、ダイナマイト投下体制に入りながら聞いてくる。


「十代目…この女はなんなんスか?」


え、待って。
あたし敵視されてんの?

ツナは慌てて言う。


「て、転校生なんだ!
昨日オレんちの隣に引っ越して来たんだって」

「怪しすぎます!
むやみに近づかない方がいいっすよ」

「ほんとだって獄寺くん!さっき話したけど、怪しい感じはしなかったよ」

「…十代目がそうおっしゃるなら」


獄寺はまだ納得はしていないみたいだったが、とにかくダイナマイトはしまってくれた。


「獄寺君…だったっけ?」

「なんだよ」

「タバコ、辞めたら?まだ中学生でしょ」

「てめーなんかに言われる筋合いはねぇ」

「なんか、って…今出会ったばかりなのにそんなに過小評価されるなんて心外だな。
獄寺くんのことを思って言ってるのに」

「…んだと?」


獄寺はこちらを睨み付けてくる。
あたしと獄寺の間に流れる不穏な空気。


「よーす、ツナ!」


険悪なムードを一掃するかのような声で現れたのは、山本武。
それであたしと獄寺の冷戦は終り、ツナは安堵したようだった。

しばらく歩けば、もう並盛中学校の校門が見えてきて。
あたしは職員室へ行かなきゃいけないから、3人と別れようとした。
その時だった。


「…ちょっと、君」


聞き憶えのある低い声。
それはたった一声でも、相手を威圧するような。


「ひ、雲雀さん…!」


ツナが恐怖の声を上げる。
あたしの心臓は、鷲掴みにされたようにドクン、と鳴った。
それは恐怖からか、緊張からか。

並盛の秩序、雲雀恭弥がそこにいた。



怖いもの知らずな転校生





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