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Know
Prologue:zero




マフィア、殺し屋…現実では、日本とはまるで関係のない存在。

そう、「現実」では―――。




Prologue




「あ、リボーンの新刊出てたんだった」


九条桃は、書店で一人呟いた。

彼女の言う「リボーン」とは、少年漫画、家庭教師ヒットマンREBORN!のこと。

現在27巻まで出ており、今日が28巻の発売日なのだ。

桃はそれをレジに持っていき、会計を済ませると家路についた。


「雲雀さんの出番増えたかな?
あー、続き気になるっ!
早く帰って読もうっと」


作中において、桃のお気に入りのキャラクターは雲雀恭弥。
そして、逆に苦手なのは六道骸だった。

その時、どんよりと曇った空から雷鳴が聞こえてきた。
そう言えば、と天気予報は雨だと言っていたことを思い出す。

途端に雨が降り出し、稲妻が走った。


「土砂降り!?やばっ…え?」


眩しいほどの稲光がして、いきなり、桃の目の前に雷が落ちた。


「どぇええ!」


思わず蹲る。
静かになり、恐る恐る雷の落ちた方向を見ると―――
まだ年端も行かない、小学生くらいの少年が倒れていた。


「うそっ!だ、大丈夫!?」


桃はその子に駆け寄る。
息はあるものの、気を失っている。


「どうしよう…」


少年をこのまま雨晒しにするわけにもいかず、桃は少年を背負って家ま
で運ぶ事にした。







自宅のマンションに帰った桃は、少年をソファに横たわらせる。
不思議なことに、少年は怪我ひとつしていなかった。
目が覚めたら、家まで送り届ければ良いと思い、桃はその傍らに座って買ったばかりの漫画を読み始めた。









いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
気付けば、時計の針は8時を過ぎていた。
少年はまだ眠り続けている。
起きた時にお腹が空いているだろうと思った桃は台所に向かい、簡単な雑炊を作る。
リビングに戻ってきた時、少年が目を覚ました。


「………う……」


「だ、大丈夫?」

少年は辺りを見回す。
そして、はっと気付いたように桃の服を掴んだ。


「お願い!骸様を助けて!」

「………へっ?」


桃は目を丸くする。


「骸様を…助けて…」

「ちょっと待って、落ち着いて!
何かあったの?」


少年が答える間もなく、辺りが光に包まれた。



すべてのはじまり



 

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あきゅろす。
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