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第三隊の秘密のお仕事
※キエラとドゥーと第三者。

《第三隊の秘密のお仕事》

仕事が終わってさて飲みに行くかと酒場に向かおうとして、第二の奴に捕まった。
一緒にいたドゥーの機嫌が一気に悪くなるのを見ておやと思う。

「なんか用かよ」

不機嫌さをモロ出しにしてドゥーが第二の奴を睨む。何か気まずそうに、第二の奴は視線をウロウロと彷徨わせた。

「あー、なんだ……アズマは?」

アズマ?

こいつアズマと関わりなんかあったっけ?内心首を傾げる俺の横で、「あぁ?」とドゥーが唸るように声を出した。

「てめぇまだ突っかかる気かよ」
「あ?ちげぇよ」
「そんなら何の用だコラ」
「待ておい、突っかかるってなんだ」

思いの外低い声が出て、第二の奴は今度こそ怯んだように瞠目する。「こいつこの前アズマに喧嘩売りやがった」と吐き捨てるドゥーに、どういうことだと視線をやる。

「カルがクラシカさんに楯突いた時、クラシカさんに何かあったらお前のせいだってぬかしやがった」

なるほど。

目を逸らす第二の奴に視線を戻す。気持ちはわからんでもない。ていうかある意味正論だ。

それでも、こいつに味方するかと言われりゃ微塵もそんな気にはならねぇが。

「で、アズマに何の用だよ」

下手な事をぬかせば殴り飛ばす気満々で言えば、第二の奴は小さく舌打ちをした後、もごもごと口を動かす。

「……ょ」
「は?」
「だぁっ、謝りてぇの!別に俺あいつの事嫌いじゃねえし!あん時はイラついてたからあんな事言っちまったけど、マジでは思ってねぇよ!」

無駄にキレた剣幕で言われて、ドゥーと二人黙り込む。「聞いてんのか!」と怒鳴られ、あぁおう、と気の抜けた声が出た。

「あー……別にあいつも気にしてねえと思うぞ」
「俺の気が済まねえんだよ!」
「あぁそうかい……」

おいアズマ。お前なんでこんな普段関わりねぇ奴までタラしこんでんだ。

なんか腑に落ちずにこめかみを揉んでいると、ふいにドゥーが「じゃあよ」と声を上げた。

「俺が伝えとくわ。お前が悪いと思ってるって言やいいんだろ」
「え……いやでもよ、」
「お前も気まずいからんなダラダラして謝れてねぇんだろ」
「……じゃあ、頼む」

悪いな、とどこか安心したように小さく笑う第二の奴に手を上げて、ドゥーがさっさと歩き出す。
追いかけながら、しばらく後ろからドゥーを眺める。そしてあきらかに機嫌の悪い背中に声を掛ける。

「お前さー」
「あ?」
「アズマに言う気、ねぇだろ」

少しの間のあと、チッと舌打ちが聞こえた。歩く早さが落ちて、距離が縮まる。

そして聞こえてきた、聞き逃しそうなほど小さな声。

「……他の隊と無駄に関わらんでもいいだろ」

その不機嫌な声に、バレないように笑う。


「そりゃ賛成だ」


横に並ぶ。ぶすりとしたドゥーの背中を軽く叩き、ゆっくりと酒場に足を向けた。

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あきゅろす。
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