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SS
『腕と壁』



どんどん追いつめられて、背中には壁、目の前にはエース。

バン!

両手を頭の横におかれ、もう逃げられない。




「ルフィ、逃げんなよ」
獲物を狙うようなエースの視線にびくっとして、思わず視線を逸らしてしまう。

「目、逸らすな」
怒りのこもった、低い声に恐る恐る視線を戻す。

「エ、エースッ、ごめ…」
謝罪を言い終わる前に、どんどんエースの顔が近づいてきて。

(キス、される)
思わず目をぎゅっと閉じて、落ちてくる唇に身構える。




「んっ…」
予想に反して、唇のわきを、紅い舌でべろりと舐められて。
目を開くと、視界いっぱいにニヤリと笑ったエースの顔。







「ルフィ、オレのプリン食ったろ? 口の端に、カラメルついてた」

その台詞と同時に、ガツン!と頭を殴られた。





end



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