短編・中編
こっけーさまより「俺様の不在の委員長と会長のデート話」(1300000キリリク)
俺は今、ピンチを迎えていた。
「――放せ、門屋。」
「なんだよ!つれない事言うなよ充っ!俺とお前の仲だろう!!」
「うぜぇ。」
廊下を歩いていたら門屋ヒカリに捕まった。
前方からモジャッとした頭が見えた瞬間、引き返そうとしたが遅かったのだ。
「なぁなぁ!今度一緒に遊ぼうぜ。」
「断る。」
人目がある場所で良かった。俺さまを貫けば切り抜けられる気がする――と思ったが、隅っこにどんどん追い詰められ、さり気なく股間ぐりぐりとかされて、もう泣きそうになった。
なんとか切り抜けるのに使った理由は、先約がある、というもの。
でもよく考えたら…俺、俺さま生徒会長役だから、友達いなかった(かなりショック)。
「なぁ!誰と遊ぶんだよ!!!なぁ!」
耳がオカシクなりそうなほど叫ばれて、仕方なく浮かんだ名前は一人だけ……
「――なぁ、今度の土曜…俺とデートする予定なんだって?ハニー。」
―――放課後、ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべる風紀委員の村上がやって来た。
そうです、瞬間に浮かんだ名前をつい出したら…こんな事になりました。
「いや…あれは門屋があんまりしつこいから、つい言葉のあやというか…「ああぁ!?」…スミマセン。」
「じゃあ何か?俺は害虫退治に名前だけ使われたって事か?」
「…ゴメンナサイ。」
「いや〜アレだ、仮にも風紀委員長の名前を使うとか、俺の名前は…高いぜ?」
え、え?お金取るの!?
思わず財布をだして中身を調べようとした俺を制し、村上は悪代官みたいな顔で笑う。怖い。
「誰が高校生のショボイ小遣い寄こせとか言うかよ。…俺、今週偶然にも暇なんだわ〜。」
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