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短編・中編
6さまより「俺さま不在、俺さまのフリ出来てた葛西君と村上君の口げんか(?)」(900000キリリク)
 この学校の生徒会と風紀は代々仲が悪い。
 犬猿というかもう既に一触即発、本当は親の敵じゃないだろうかというほどの睨み合い状態が続いている。まぁ、先代の会長がその亀裂にとび蹴りを食らわせたという話もあるが―――それは今は関係ない。

 いや、関係なくはない。

「―――葛西、早く書類回せよ。」

 生徒会室にわざわざ嫌がらせのように足を運んで書類の催促をしているのは、俺の目の前で睨みをきかせている怖い人…もとい風紀委員長の村上だ。
 鋭い三白眼がこれでもかと俺をガン見しています…お母さん助けて、この人怖い。



 …しかし、残念ながら俺が座っている豪華な椅子は「会長席」。逃げが許されない事は、去年の先輩からの訓練という名の調教で身に染みついています。

 勇気を振り絞って、皮肉気な口元を演出する。

「期限は明日までだろう?天下の風紀委員長様はよっぽど暇なんだな。…生憎コッチは忙しくてな、使いにくれてやる菓子は無いんだ――明日、出直してこい。」

 要訳すると『ゴメンなさい、ちょっと今忙しいからまだ出来ていないんです。悪いけど明日でいいかな?』…なんだけど、伝わったかな?
 うん。村上のこめかみに血管が浮いてる。

「わかったらとっとと帰れよ。」
「……いい度胸だな。」

 怖いから早く出て行って欲しいのに、逆に怒りだしました先生!
 ゴメンなさいは、もう20回は心の中で繰り返してます。
 しかし俺さまはやめる事は出来ないんです。村上も怖いけど…前会長だった錦野先輩は現在進行形で怖い。だって、どんなに怒っても風紀委員長は手は出さないもん!!


「良い機会だ、葛西。――お前とは一回、きっちり話し合いたいと思ってたんだぜ…。」

 獰猛な空気を身に纏った村上が、俺の机にユラリと近づいてきた。
 いやいやいやいや!ちょ、待って!

「……俺は無い。」
「マジでむかつくわお前。いつまでも椅子にふんぞり返ってねーで、ちょっとは真っすぐコッチ見ろ。」

 …無理です怖いから。ついでに、これはふんぞり返ってるんじゃなくて、逃げ腰になってるだけです!

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あきゅろす。
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