いただき物小説など
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すりすりと体を撫でながら思うのは、ネットで見つけたゼンタイ(全身タイツの略)愛好者の集いの事だ。
こんなフェチを持ち性癖まで偏っている自分が全うな恋愛など出来るわけがないと思っていたし、他人に恋愛感情をもった事すらない。
だからこそ人の温もりに憧れるのかもしれない。
曰く「ゼンタイ越しに他人に触れられると、自分で触れる何倍も気持ちがいい」らしいのだ。
タイツに魅せられて早十数年。
一人で楽しむ色々はほぼ堪能した。やり尽したといっても過言ではないはずだ。
そんな自分が唯一知らないのは、タイツ越しの他人の体温だけなのだ。
参加してみたいと思う反面、この趣味を人と共有する事に恐怖を感じる気もする。
でもそれよりも何よりも躊躇してしまう理由は
『ドキッ☆男だらけのガチ★ムチゼンタイパーティ ポロリもあるよ♪♪』
……
………
…………
「ポロリは…いらないなぁ…」
それでもいずれ我慢出来ずに参加してしまうであろう愛好者の集いのイベント名を思いだし、小さく小さく溜息をついたのだった。
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