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鬼瓦鉄心は風紀委員長である。
オニガワラテッシンなどご大層な名前だが、しかし彼はその名に恥じぬほど逞しく凛々しい…影で何人か殺しているだろうと囁かれるほどの美丈夫だった。

そんな彼は、今日も短いながらも綺麗にセットされた髪に芳しい整髪料の香りをさせ、満員電車に揺られていた。
チラホラと混じる同じ制服の生徒達が、男女問わず彼をぽーっと見つめている。
けれど、彼にはそんなことはどうでもよかった。秋波を送る美人OLや「きゃっ」とわざとらしくしな垂れかかる美少女とかも、どーーーでもよかった。

*****

(む……)
規則的に揺れる車体に身を任せていた鉄心は、胸に感じた違和感に眉を寄せた。
下を向いて確認すれば……後ろから伸びた無骨な手が、ブレザーの中に入り込み、シャツの上から胸を揉んでいる。

「な……っ」
「気持ちいい?」
「ヒッ!?」

耳元で囁かれると同時に、僅かな刺激に立ち上がりかけていた乳首を強い力で摘まれた。
ビリッ、と感じた痛みに顔をしかめ、抗議するように後ろを向こうとして動いた耳朶を、千切れるかと思うほどに噛まれる。
おそらく切れただろう耳を、更にきつく噛まれ続けながら、両の乳首にも鋭い痛みが襲う。

「痛…ぁ、く…」
「痛い割には、興奮してるみたいだな…淫乱な体だ」
「な、違う…」

男の片手が、乳首から離れて芯を持ち出してしまった鉄心のペニスを掴んだ。

「ここをこんな興奮させて…見てみろ、周りがお前の姿に驚いているぞ?」
「嘘…ま、嫌…ん、んんぁっ」

目の前の美少女が、信じられないといった表情で鉄心を見上げている。
だめだ、見るな。いや、見て欲しい…っ
尖った乳首に爪を立てられ、耳の血を舐められながらペニスにまで強い刺激を与えられて、心地よい痛みに体が蕩けそうになる。
蒼白だった少女の顔が、やがで侮蔑に満ちた表情に変化して……鉄心は震える程の悦楽に支配された。

そう。彼は、SMでいうところのMであった。

*****

ガクン、と足元が崩れーーー電車が急カーブに入ったことを知る。
ふとわれに返った鉄心は、乗車時と何一つ変わりのない車内に瞬きした。
(……白昼夢か)
妄想、とはあえて言わない。
相変わらず、さきほど夢の中でごみを見るように彼を見ていた美少女は、頬を染めて俯いている。

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あきゅろす。
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