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 ――尾崎のセックスは犬なだけあって、奉仕的だ。



 大抵の男達は、祐耶に何かを求める事はない。不遜な生徒会長を組み敷く事だけで満足する輩と、一夜を共にするだけで夢をみた気になる女の様な思考の親衛隊達。
 おかげで楽といえば楽なのだろう…蓮の様に、無闇に好き者を演じる必要もないのだから。

 理事長は祐耶が快感に咽び泣く様をみる為にのみ執拗にいたぶって抱き、その息子の榊は入れる穴にしか興味が無いかのようにただ挿入して、時折痛みに顔を顰める祐耶を嘲る。尾崎は、裸で抱き合った瞬間から余裕をなくす。


 ……たった一度だけ寝たあの男は、どんな風に自分を抱いただろうか。

 上書きされ過ぎた記憶は、もう夢でしか思い出せない。


「…松本、さまっ」

 何度閨を共にしようとも、いつまで経っても余裕のない尾崎の愛撫。けれど熱を孕んだ身体はすぐに相手の望む反応を返す。

「深……、ぅ、あ…」

 正面から抱き合うのは好きじゃないと言った言葉を、馬鹿正直に守って背後からしか抱かない男。
 それこそ動物のようで、祐耶自身が学園に飼われている本物の犬なのだから…これ程似合いのまぐわいもないだろう。

 始まりこそは祐耶の全身を舐めるように愛撫する尾崎だったが、挿入後は最早、何かに突き動かされているかのように荒々しい。


「あ…あ、あ、……っ」

 盲目的な欲望に呑まれてしまう前に―――最後のひと押しを忘れてはいけなかった。
 抽挿の度に痺れるアナルに僅かに力を入れれば、背後の尾崎が息をつめて動きを止める。祐耶自身にも甘い疼きが襲ったが、唇を噛んで誤魔化した。

「松本様…急に、締めつけられては…すぐに達してしまいます」
「早漏…が、言い訳するな……。お前、俺が賭けに勝たねー…、と、蓮に食われるからな」
「―――は?」
「バッ、急に動かすなっ」
「すすみませ…」


 正気に戻れば、間抜けな体位である。

 四つん這いになった祐耶の背後から滑らかな腰に両手を添えて、すぐにでも運動を再開したいだろう尾崎に対して、わざと「動くなよ」と念を押す。
 結合部から甘い疼きが起こるのはお互い様で、祐耶自身も無意識に奥へと誘い込もうと伸縮するアナルを恥じる思いで我慢した。




「……俺が瀬川を落とせなかった場合、お前らを貸せって…言われてるから、な?」


 精々、俺の協力まではいかなくとも――邪魔はするなよ?

 蓮と寝たいなら話は別だけどな。と含めば、慌てて首を振る尾崎。
 その振動で思わず甘い声を漏らしてしまい……それが行為再開の合図となった。


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あきゅろす。
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