親衛隊隊長の苦難16
授業に戻る沖名君と別れ、一人校舎をウロウロする。
授業にでないってこんなに暇なんだな。
さっき、清掃した中庭に行って見る事にした。
あの時はあまり見ていなかったが、良くていれされている。これも、忍者執事さんと会長がやったのかな?
そう思いながら、進むと盗難防止用に仕掛けたベンチの近くまで来た。
「おーい、そこの君。これ、外してくんない?」
何も見てない聞いてない。
「無視すんなってー!外してよ、マジで。」
仕方ない、そう思って罠を解く。
「マジ助かったよ。」
では、と頭を下げてその場から立ち去ろうとするが、阻止されてしまう。
「チョット君にお話があるんだよねー」
そういいながら一目につかない茂みへと連れ込まれ、押し倒され身動きが取れないように、両手をネクタイで縛られる。
「何するんでするーーー!?」
喋ると手で口を覆われる。
「修介がいくら趣味の為だからって、大雅を他の奴らとくっ付けられるのは何か癪に触るんだよね。」
俺の着ているシャツのボタンを空いている手で開けられていく。
「大体、このシャツ大雅が中学時代に着てたやつじゃん。なんで君が着てるの?このズボンだってそう。君が着てもいいものなじゃない。」
そう言ってズボンも脱がされる。
「ーーー!!!」
このままでは何されるかわからない。
そう思い抵抗を試みるが、相手の厚めのハンカチを口に詰められ、終いには下着まで脱がされてしまう。
「パンツまで大雅のモノ。君さぁ、こんな所大雅に触らせたの?」
男なら誰でもついているアレを触られる。
「こうやって咥えさせた?」
相手の口内でアレを刺激される。
イヤダイヤダイヤダイヤダーーーー!
「唸るなよ。大人しくされるがままになってろよ、この淫乱。」
何にもしてないのに。
俺だって腐男子の被害者なのになんで俺ばっかりこんな目にあうんだよっ……
涙が頬を伝って零れ落ちる。
「そうやって、修介や大雅に縋ってたんだろ?俺は何にも悪くないんだっ……」
ズサァァァァァ!!
目の前に居たはずの風紀委員長が何者かによって蹴り飛ばされた。
「風紀委員長殿自ら風紀を乱すとは思っても見なかったな。」
顔をあげると怖い表情の会長が立って居た。
「はぁ、すまないな。この変態を放置しっばなしにした俺が悪かった。痛い所はないか?」
俺の腕を縛って居たネクタイと、口に入れられていたハンカチをとってくれ、着ていたセーターを裸の俺に掛けてくれる。
「た、大雅。なんでそいつを庇うの?問題ばかりしか起こさない親衛隊なのにさ。」
「それはお前のだろ?俺の所は皆大人しい奴ばかりだ。それに、彼奴もいるしな。」
「修介は自分の趣味のためだけだろ?」
「そう思ってるのはお前だけだよ。」
「じゃあ、他に何があるっていうんだよ。」
風紀委員長の言葉を聞いて会長は俺を見る。
そのまま制服と一緒に俺を抱きかかえその場から立ち去る。会長は聞き取れないくらい小さな声で、何かを呟いていた。
「大切なものに決まってんだろ。」
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