親衛隊隊長の苦難11
あれから寝てしまったみたいで、時計はもう午後7時に回ろうとしていた。
それは、良いんだけど………
何故、会長が俺の部屋のソファーで読書をしているのでしょうか?
俺、寝ぼけてるんだよね。今日色々あったから疲れてるんだよな。きっとそうだ。
何も見なかったかのように、もう一度布団の中へと戻る。
「おい、高梨起きたなら声をかけろ。」
ああ、とうとう幻聴まで聞こえてきたよ。
「親衛隊の分際で無視してんじゃねーよ。」
そりゃあすいませんでした。
何が嬉しくて寝起きに会長の顔を見なきゃ行けないんだよっ!
「たっだいまなりwwうはww空気重過ぎテラヤバイwww」
空気クラッシャーのご帰宅です。
流石の会長も溜息しか出ないご様子。
「クラッシャーしてねぇで、この状態を説明しろ。」
「えっ?約束したからに決まってるジャマイカwww」
「なんの?」
「ガチで忘れたのwww一週間、会長と……「あっ…」」
そう言えばそうだったな。
と言うかお前
「今日はゆっくりしてろって…」
「言ったよwwwけど、あれは会長と一緒にねって意味だよwww」
こぉいぃつぅはぁぁ!!!
そんなやつだって知ってた。知ってたけど、今日ぐらいは見逃せよっ!俺、身心共に大ダメージ食らってんのに、更に仕掛けるか普通。
おめぇのせいで何回食らってると思ってんだ?!
「そんな怖いお顔しないでww寝てる間、会長何もしてないし☆それに出来ないしねwwwか い ち ょ」
そう言われ固まる会長。
あんたどんだけこいつに弱みを握られてるんだよ。こいつに握られるって相当アホな事をしたとしか……。ま、俺には関係ない事だ。そっとしておこう。
「これ以上、貴様といたら気分が悪い。」
そう言って俺を抱き上げる会長。
「えっ、ちょっと、何をしてるんですか?!」
「こいつ連れて自室に戻る。」
いや、戻るならお一人でどうぞーーー!!
「ごゆっくりwww」
ごゆっくりじゃねぇぇ!阻止しろよ!
同室者が困ってんだ。そこは助けるべきだろ!
ってか、おーろーせー!!
「高梨、これ以上暴れるたら犯すぞ。」
素直に従うしかなかった。
会長のお部屋は一人部屋なクセに俺らの部屋よりゴージャスです。
風呂がユニットバスじゃなくて、マーライオンとか着いちゃてるし。トイレは個室とは言えない広さで………って、冷静に部屋巡りしてる場合じゃねぇぇ
つか、あんだけ部屋あんのに寝るとこが、一つしかないのは何でだよっ!
会長の権力で二個ぐらい置いとけよ。
「高梨、先に風呂入って寝てろ。」
「あの……寝るって何処に?」
床に決まってるだろとか、ソファーとか言われそうだなぁ。
「ベット以外に何処があるってんだよ。」
ななななななんだって!?
ベットだと!!もしかして……
「一緒にこのベットに寝るのでしょうか?」
「それ以外に寝床がねーんだからな。他に何処に寝るっていうんだ。」
ソファーとかソファーとかあるじゃない!
馬鹿なの?会長って馬鹿なの?!
「ソファーとかあるじゃないですか……」
「あれは座るところだ。寝る場所じゃねぇ!」
確かにそうだけど………そうだけど、あんたは一緒に寝るって事に抵抗ないのかよっ!
「んなことより早く風呂にはいれ。風呂入らねーで寝るとか信じられねぇ。」
「わ、分かりましたよっ!お風呂お借り致します!」
会長に言われ、勢いでお風呂に入ったものの着替えがないことに気がついた。
このまま着てたので出て行ったら、きっと「汚ねぇ」って言われるし。とりあえず置いてあるバスローブ借りて、出ていくしかないよな?
風呂から出ると会長はソファーで読書をしていた。
「あ、あの、会長着替えはどうしたら……」
「高梨様、着ておられた衣服は此方でお預かり致します。」
ニュッと現れた執事さん的な人に新たな着替えを渡され、着ていた服を渡すとどっかに消えて行った。
な、なに、あれ?!消えた…よな?
忍者なのか?執事さんって忍者なのか!!
って、言ってる場合じゃねぇ。パンツはとりあえず履いておこう。
「何、突っ立ってんだ。先に寝てろ。」
「は、はい。」
会長は書斎っぽい部屋に入って行った。
生徒会の仕事かな?
なーんだ、見えないところでちゃんとやってたんだ。
ちょっと、見直したな。
俺は近くに会ったカゴに衣服を入れ、広いベットで眠りについた。
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