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親衛隊隊長の苦難09






食堂へ戻ると、会長と副会長がモッサリ君の取り合いをしていた。周りで見ていた親衛隊は馬事をとばしていた。
うわー、行きたくねぇ。
このまま真智と昼食とっちゃダメかな?とか思いつつ、真智を無言で見つめる。

「そんなに見つめちゃイヤーン☆」


伝わらない上にウザい。


「うぜぇって顔しないでwwちーのことだから、あの輪に入りたくないのでしょwww」


「分かってたんなら初めからそう言え。」


「いやーどっちかな〜?って思いましてww……おや、王道君が二人をかき分けて、がこっちに来るでわないかwwwナニコレww」


真智が見る方向に視線を向けて見ると、モッサリ君がまんべんの笑みで此方に駆け寄って来る。


「真智、隠れよう。」


「えww今更でごわすか?ww」


「お前の事だ、隠れ身の術とか知ってるだろ?」


「俺、いつ忍者になったのwww」


「違うのか?」


「真顔で言われてもwww流石に予期せぬ事には反応できませぬww」


真智とそうこうしている間にモッサリ君はやって来た。


「ちーひーろー」


「グヘッ!!」


側に来るなり、いきなり抱きついてきた。
隣に居る真智は「何フラグ?何フラグ?www」とか言ってるし、周りはポカーンとした顔をしている。


「どこ行ってたんだよっ!俺、千裕と一緒に食べたかったのに。」


知らねーよ、んな事言われたってよ。俺だって都合はあるんだ。一々、お前ら変態共に付き合ってらんない。


「諸事情でチョット……」


「そうなんだ……。ところで、こいつ誰?」


「俺?ww会長の親衛隊副隊長の真智 修介ですwwよろしくしないでください☆」
おい、お前。なんつー自己紹介してんだよ。


「ふぅん……千裕とはどういう関係?」
モッサリ、お前もなんつーこと聞いてんだよ。


「えww隊長と副隊長の仲ですが?ww」


「そうなんだ。言っとくけど、千裕は俺のだから。」


何を言い出してんだよこのモッサリは。
って、ちょっと、何、俺の顎あげちゃてんの?!
つか、顔近いんだけどーーーーーー


「ーーーーーんっ!」

俺の唇にモッサリ君の唇が触れてるのは何故?
ちょ、口内まで侵入してきやがった!
信じられない衝撃にモッサリ君を引き離そうとするが、離れない。


「………んぅ」

だめだ、息が続かなくて力が入らない。


「……やぁ……はな、し……てぇ」


必死で訴えるが辞めてくれず、口内を犯され続ける。俺は絶えられなくて、目から涙が零れ落ちる。


「…千裕、可愛い。」
そう言ってモッサリ君は唇を解放した。
その瞬間、怒りが込み上げモッサリ君を殴り、食堂から飛び出した。





はぁはぁはぁ……



気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
トイレの洗面所でうがいを繰り返す。それでも感触が残っている。

最悪だ。なんで俺がこんな目に合わなきゃいけないんだよっ!なんで男にキスされなきゃいけないんだよ。



「え、と、ちー……。何故、俺まで連れてきたのでしょうか?」


予期せぬ声にビックリする。

「なん……で、いるの?」


「いやwww勝手に貴方が引っ張ったじゃありませんかwwえ、何?無意識なの?www」


んな事言われたって覚えてないし。
あ、やべっ。涙が勝手に……


「ほら、ちーおいで。」


本日、二回目の真智の腕の中。
モッサリ君とは違う安心感がある。
だから涙が余計に流れてきて、そのまま泣いた。








泣きつかれた俺は、真智におんぶされながら、生徒指導室に早退届を出して寮へと戻る。
途中、何人かの親衛隊の子に心配をかけたが、真智が俺の代わりに「大丈夫だよ。」って言ってくれた。


「ちー、着いたよ。」
そう言って優しくベットに下ろしてくれる。


「今日はゆっくりしてな?俺は親衛隊の子達を集めて騒ぎを抑えて来るよ。」


「………うん。」


「大丈夫だよ。安心して眠るまでココにいるから。」
くしゃっと髪を撫でてる真智の手は優しくて心地よい。その手に安心して俺は眠りに着いた。







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あきゅろす。
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