ししまい☆クッキング【パラレル・甘々】(蓮さまから)

「おっし」

材料万端。用具も完璧。
さてさて料理を始めましょ。



ししまい☆クッキング



総合商事『GANMA』の敏腕(自称)課長で通称『隊長』と呼ばれたハーレムは、年下部下のヒラ社員ロッドと結婚退職し、今は平穏な専業主婦をしている。
まぁ…家事は夫任せの世間で言う『ぐうたら主婦』なのだが…


今日は月に一度の給料日。

そして結婚ひと月目の記念日とも言うべき日。
ロッドを会社に送り出したハーレムは、ふと思いついて、夕飯にカレーを作ろうとしていた。

事前に料理上手な兄(社長)に電話して極秘レシピを聞こうとしたが…

「ハーレム、良い子だからカレールーの箱の裏に書いてある通り以外のことはしないでおくれ?ロッドが大事ならね。」

そう言われ、少々ムカつき書店で料理の本を購入。
ついでに買ってきた(今まで無かった)赤のチェック模様のエプロンを装備し、只今キッチンに立っている。

「ぁ?ジャガイモってどう皮剥くんだ?」

たどたどしい手つきで剥いたジャガイモは、里芋サイズと化していた。

人参はぶつ切りで玉ねぎは………………悩んだ末にガスマスク(何故有るのかは問うていけない)を着用して切った。(厚さ七ミリ)

野菜切りに二時間経過。
その間、ハーレムの10本の指には、23枚のバンソーコーが出現と相成る。

「えーと、肉は…」

肉だけは最上級の和牛。これをまたダイナミックに切り、鍋へ。

「で…これを炒める……何だこりゃ。隠し味にコーヒーとチョコレート???有ったか??」

ガス台の横に料理本を広げて首っ引きで真剣料理。

元部下達が見れば、目を剥く光景だな。そう何となく考えた瞬間に…何か燃えるニオイがした。

「げ…っ」

料理本のページの端に、ガスの火が燃え移っていた。
慌て流しへ投げ込み、水道で鎮火。

「ふぅ…焦ったぜ……ん?」

今度は焦げ臭いニオイに気づいて目を向ければ、煙を上げてジュージュー音を上げている鍋。


「げっっっ!!!」


鍋に水をぶち込み、意気消沈。鍋の中には焦げた食材と浮いたコゲ。



………

………………

………………………



俯いて沈黙すること約三分。
顔を上げたハーレムの左目がギラリと光る。


「こんなことでメゲる俺様じゃねぇっ!!!!」





その後数時間、隣家の主婦は度重なる爆発音と異臭に怯えたと言う…






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あきゅろす。
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