3
その日は朝から珍しく寒い日だった。
右肩に受けた傷が、治ったばかりなせいか違和感を訴えてきて、ロッドは眉間に僅かに皺をよせる。
「‥隊長。」
「早ぇ復帰おめでとさん。」
ハーレムはニヤニヤ笑いながら、何やら嬉しげにロッドのアタマをはたいた。
「‥ご迷惑おかけしました。」
オレはたった数十センチ先の隊長の顔をまともに見られなくて、隊長の靴をずっと見つめていて‥‥――。
「‥‥。」
「‥‥。」
無言が重い。隊長の視線も。
‥いたたまれない。早く退室してしまおう。
「通常任務に戻ります。」
伏せた目を上げることなのないまま一礼して、そそくさと背を向けた。
「‥あ?なんだ、楽しみに待ってたのによ。」
「え?」
振り返った先の愛しい愛しい悪魔さまは、にんまり笑って来客用のソファに座り直し、小さく手招きしてロッドを呼ぶ。
「……えーと?」
「続きだ続き、お前があン時言いかけてた。」
「…言ったら笑い飛ばす、とかないですよね?」
「‥笑い飛ばして欲しいンならな。」
――数分後、艦内にロッドの凄まじい悲鳴が響き渡った‥。
「ッお前怪我増やしてぇンだな?!」
「だって、OKくれたし‥」
「消す‥!」
end.
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