「お♪オトコマエがランクUPしたじゃねーか。」
「……っ痛!オレ‥あの後‥‥?」
「んン?覚えてねーのか?右肩貫通だと。」

クイ、っとアゴで指された自らの肩には包帯。

「あの区域の後の処置はやっといた。」
「‥‥そっスか。」
「ナニ珍妙な面‥‥じゃねぇ神妙な表情してやがんだ。ケガ人はなンも考えねーでとりあえず寝とけ寝とけ。」
「‥はい。」

周りをぐるりと眺めて、どうやらガンマ団の療養施設らしい、とおぼつかないアタマを必死に動かそうとしてみるが、いつものようには働いてはくれず。
「‥‥あ〜ぁ‥。」
情けなさと悔しさとで、まともにハーレムの方を見ることが出来ず、毛布の中に潜り込む。
「結構出血してたンだ、ま、安静にしてろやw」
「‥‥‥。」

普段ならこんなイージーミスを犯した人間がいれば、どんな重傷負ってようが構わずキツく叱責する人なのに。

「‥‥情けね‥。」

怒る気も起きないほど、呆れられてんだろうな‥コレって‥。

「今さらだろ。」

だるそうにベッド脇に置かれた椅子にもたれていたハーレムは見舞い品の葡萄を無造作に口に放り込んでおいて、ロッドの抜糸も済んでない傷口に軽い一撃を喰らわした。

「〜〜〜ッツ?!!」
「‥生き延びた。それで上等だろが。」
「‥たいちょお‥‥。」
「おぅ。」
「‥‥痛いっス‥。」
「馬ぁ鹿。自業自得だ。―――ロッド、お前あン時‥。」
「はい?」
「‥‥海、見てたろ。」

蘇る、美しい青。

そして―――――。


「‥オレも見てた。だから、もしかしたら撃たれてたのオレだったかもしれ‥。」
「無いです。絶対。」
「‥。」
「だってオレが見てたのは、隊ちょ‥。」
言いかけた口に思いっきり突っ込まれたのは、葡萄で。

「ケガが治ってから聞いてやるよ。ゆっくり、な?」

ロッドのその後の回復ぶりは、語るまでもない(笑)






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あきゅろす。
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