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ビフ赤短編集
意外な弱点※※
御侍から渡された音源を聞いた赤ワインはガクガクと震える膝で、熱い吐息を漏らし、潤んだ瞳で私を見上げた。
ものたりない、と口にしたその言葉を聞き届けたビーフステーキは腰が抜けてろくに立てない赤ワインの体をひょいと抱き上げると爛々として自室へと篭もり、鍵を掛けるまでを御侍は生暖かい目で見ていた。


「すてーき……。」
既に期待してズボンにテントを張っているそこを一瞥すると、ビーフステーキは赤ワインの左耳に顔を寄せ縁を甘噛みする。その刺激にビクッと体が跳ね、それに気を良くしたのか耳の後ろをつぅと舌で撫で、耳朶に犬歯を当てる。
「ふぅ…、なっ、で…ッ!」
ビーフステーキは答えない。左耳を口に含み形を確かめるように舌で舐めると小さく痙攣する体、やめろと伸ばしてくる手をシーツに縫いつけた。一度口から出し、銀の糸が橋を作りぷつりと切れる。口に唾液を溜め込んで、耳の孔にとろりと垂らすとその刺激にも甘い声を漏らした。
「好きなのか?」
耳元で囁くように、言葉を、息を吹き込む。
「んんぅ、ちが、っう…!!」
嫌々と頭を振る赤ワインにビーフステーキは往生際が悪いと、てらてらと光る耳にちろりと赤い舌を伸ばす。窪みに溜まった自分の体液ごと孔にズプリと舌を挿入するとぐちゅんと淫靡な音が鳴り、赤ワインは腰をくねらせ逃げを打つ。それを膝で左足の付け根を押さえ体重を軽くかける。ぐちゅ、じゅぷり、唾液を足しつつ抜き差しを繰り返すと、手の甲を噛み必死に快感を逃そうとする赤ワインの姿が視界に入り、ぐるりと掻き回すと一際大きく体が跳ね、痙攣を起こす体に不思議に思い一度舌を抜くと下を見た。
「はーッ、はーッ、」
どろどろに蕩けた顔をおっぴろげに晒し、唾液と血に塗れた口元、投げ出した手の甲からは止めどなく溢れる鮮血、じわりと染みを作るズボンに察しがついた。
「耳でイったか。」
「…ッ、え?」
きょとんとしてズボンに手を伸ばす赤ワインは、そこがじわりと濡れていることに気づくと困惑気に私を見た。
ゾクゾクとしたものが駆け上がる。
「触らずに、耳で、イったんだ。」
ズボンをずらし、パンツをずらしてみるとねちゃりと白濁が糸を引き、今更になって気持ち悪さに顔を顰める赤ワイン。それでもまだ状況を把握出来てないのか、そもそもビーフステーキの言う言葉が聞こえてないのか赤ワインは惚けた顔をして虚空を見つめていた。
それが面白くなくてビーフステーキはベッドサイドの引き出しからローションを取り出すと、おしめを替える赤子のような恰好をさせ、キュッと窄んだ入口にぶち撒ける。
「ひッ、つめたっ。」
手のひらの上で温めていないそれは、上気した体には冷たく感じたようでぶるりと身体を震わせる。入口の周りの襞を丁寧に伸ばすように指でローションを塗り込む。
「んッ、…お、い…」
「何だ?」
「どこ触っ…ッんあ"!?」
焦点の合った瞳が胡乱げに見てくるので人差し指を埋め込むが、窮屈なそこは千切らんばかりに噛み付いてくる。
「キツイな…。」
お互い忙しかったからか最近はご無沙汰だった。そのせいか処女のような締め付けに邪な気持ちがむくむくと湧き上がる。
「赤ワイン。」
「い、や、だ!」
「……まだ何も言ってない。」
「貴様がこういう時に名前を呼ぶ時は大抵ろくな事を考えてないだろうが!!」
全くもって元気な様子を見て、やはり一度達しただけでは足りなかったかと頷くビーフステーキに、赤ワインは嫌な予感が背中を駆け抜け逃げ出そうと藻掻くが、両足を片手で纏められ、指を後孔に入れられているためなかなか上手くいかない。
「ものたりない、と言ったのは貴様だろう。」
ビーフステーキがそう言えば赤ワインはぐっと言葉を詰まらせた。
「それとも、耳でイかせてほしいのか?」
「なっ、違う!!」
先程のことを思い出して顔を朱に染める。その姿にビーフステーキの男の部分が首を擡げ始めた。
「分かった。」
「何も分かってないだろう…。その顔はとんでもない勘違いをしてるようにしか思えない。」
「大丈夫だ、ちゃんとイかせてやる。」
「その血走った目で見るな、やめろ、離せ、おい聞いているのか?!」
赤ワインがキャンキャンと喚くのが煩わしくて、口を塞ぐ。逃げ惑う舌を捕まえては、絡め、吸い、その間に後孔に突っ込んだ指を掻き回し、力が抜け広がってきたところに中指を追加する。
「んんぅ!!んぅーー!!!」
講義の声をあげる赤ワインを無視して舌をジュっと吸い上げると腰が痙攣する。キュンキュンと指を締め付け甘イキしていることに気づいた。
口を離すと飲み込めなかった唾液が赤ワインの口の端から顎を伝い落ちていく。
「何だかんだ楽しんでいるのは誰だろうな。」
「だまれッ!!あッ…、やっ、」
快感に身を震わせる姿は淑女のようで、ずっとこのままでいれば可愛げがあるというのに。
気づけば三本も咥え込み、ぐちゅりぐちゅんと淫らな音が聞こえ、そろそろいいかと指を抜く。期待するようにヒクヒクと口を開ける様は厭らしい。
「下の口はこんなにも素直なのにな。」
「……その口を今すぐ閉じろ。」
息も絶え絶えで、潤んだ瞳で悪態をつき睨みつけるのは逆効果だとは思わないのだろうか。
「これが欲しくはないのか?」
入口に先っぽを押し当てにちゅにちゅと抜き差しすると、赤ワインの腰が震えるも手の甲を噛み、耐え凌ごうとする。
「強情だな…。」
「きさ、まに…んっ、屈服…するくらいなら…っ、誰が、欲しがるか…ぁッ…!」
微かに喘ぐも、それでも睨みつける瞳の力強さは変わらない。それでこそ落としがいがあるというもの。ビーフステーキは思わず上がりそうになる口角を隠すために下を向く。
「ビーフステーキ…?」
「いや、何でもない。」
ビーフステーキは赤ワインの身体を起こして自分の腹の上に乗せる。
「……何の真似だ。」
口は次から次へ回るというに、身体は産まれたての子鹿のように力が入ってないように見える。鍛え抜かれたビーフステーキの腹筋の上に綺麗に揃えられた赤ワインの両手は微かに震えていた。
「欲しくなければそれでいい。」
臀部の割れ目を撫でるように腰を動かす。それにビクリと反応を示す赤ワインの瞳は欲に濡れていた。
「どうする?」
勝ち誇ったような笑みに悔しさを覚えるも、そうするしかないことを知っている赤ワインは、覚えておけと三下の捨て台詞を吐いた。

震える身体を叱咤してビーフステーキの腹に手を置き、ぐっと体重をかけ身体を持ち上げる。解された後孔を指で探り、少し広げると勃ち上がった凶器に沿える。ごくりと喉を鳴らしたのは果たしてどちらだっただろうか。赤ワインはゆっくりと腰を下ろしていく。ぐぐ、と押し入ってくる肉棒が痛みを伴いながら広げていく。
此処で手を離せば大変なことになる。以前痛みに呻き、逃げ出そうとした身体がビーフステーキの腹に置いていた手を空に投げ出し、命綱を失ったために落下した。余りにも強い衝撃に、快感とも、痛みとも取れず、ただ意識だけが飛びかけ、ビュクッと萎えかけたペニスの先から勢いを失った精液を漏らした。
あれの二の舞にはするまいと固く誓い、恐る恐る腰を下ろしていく。
それがビーフステーキには拷問のように感じたのだろう。下から思い切り突き上げた。
「あ"ッッ!がはッ、ま"ッ…!ん"あ"アアッ!!」
突き上げられたために力が抜け、制御を失った身体は肉棒に貫かれた。チカチカと明滅する視界で、痙攣する身体をぎゅうと抱き締める。だらしなく開いた口からは呻き声のような意味の無い母音と、唾液が零れた。
「くっ…、」
危うくイきかけたビーフステーキは、搾り取ろうとする胎内の動きに身悶え、落ち着くために深呼吸を繰り返す。
「赤、ワイン…、…ふっ、」
酸素を求めている赤ワインの唇を無慈悲にも奪ったビーフステーキは、好き勝手に口内で暴れ、唾液を送り込む。飲みきれなくて顎までびしゃびしゃに汚れている様に興奮したのも事実で、噛み付くようなキスのせいでぽってりと赤く熟れた唇はどんな果実よりも美味しそうだった。
「あっ、は…っ、ふざけん、な…ッ、」
「こっちも頭が沸騰するかと思ったぞ。」
ゆさゆさと揺さぶられ、赤ワインはひっきりなしに声をあげた。自分の意志とは関係ないところで。
ビーフステーキは力が抜け動けなくなった赤ワインに代わり、腸壁を抉るように下から突き上げる。ご無沙汰だったはずだが、身体は覚えているのかビーフステーキの雄の形に広がり、きゅうきゅうと吸い付く。
「ッまて…!」
だというのに、上の口は素直になりきらない。もっと奥に欲しいと、一言口に出せばお望み通り天に登らせてやるのに。
「待てと言われて待つと思うか。」
「あぁっ、も、イ…くッ、」
ぶるりと身を震わせ、限界が近いのだろう赤ワインを暫くじっと見た後、何を思ったのかビーフステーキは身を起こした。そのせいか胎内を掻き回していた肉棒の位置が変わり、イイ所を抉るように刺激する。頭が可笑しくなりそうな程の快感に絶頂を迎える。
「ッ、ァあああっ!…っ、だせ、ないッ?んっあああぁぁぁんっ、やらぁっ、もっ、ひっ、イきたくなっ、ぁあああっ!」
魚のように跳ねる身体、逃がすこともできない快感、次から次へ湧き上がる泡がぱちんぱちんと弾けては、善がり狂うしか出来なくて、生理的に溢れる涙が頬を濡らす。
それを興味深そうにビーフステーキは眺め、腰の動きを止めると、不安げに揺れる双眸と視線が絡み合う。
身体を密着させ、耳元に顔を寄せる。赤ワインはされるがままだった。
「__イけ。」
「~~~~ッ!!」
今まで射精出来なかったのが嘘のように、自身の腹を白濁で汚す程にぶち撒けた。二度、三度噴き上げ、長い絶頂を迎えているのかぎゅうぎゅう締め付ける胎内に、最奥に突き上げ全てを吐き出す。
「っく、…ははっ、耳が弱いとはな。」
腕を背中に回しがっちり拘束していたせいか、快楽を上手く逃せず、がくがく大きく震えた体を、片手で支え直すと背筋につうと指を這わせ、臀部の割れ目をなぞり、ビーフステーキの肉棒を呑み込んだその入口を、触れるか触れないかの瀬戸際でくるりとなぞった。
「ひぁっ…!」
いつもより高めで、かつ蕩けたように甘い声にビーフステーキの欲望はむくむくと再々顔を出す。全く、どれだけ煽れば済むのだろうか…。
「赤ワイン、生きてるか?」
ぺちぺちと頬を叩くと微かに喘ぎながら薄く目を開く。辛うじて意識があるというだけで、直ぐに瞼を下ろしてしまう。
一度中に埋まっていた雄を抜き、どさっと赤ワインの身体をベッドに下ろす。小さく嬌声を上げるも、眠ったかのように一定のリズムで上下する胸を、触られずに放って置かれた胸の尖りを、じっと見た後、ふむと頷いた。
「反応がないのは少しつまらないな。」
ビーフステーキは赤ワインの胸の尖りに舌を這わせるが、ぴくぴくと体が跳ねるだけでいつものように慌てふためく姿は見られない。
そっとそこから離れると、てらてらと唾液でコーティングされた姿に、己の分身が解放を望み、はち切れんばかりに脈打つ姿を見た。
「赤ワイン、悪いな。」
全く詫びる気のない声に、普段の赤ワインなら怒り狂っただろうに、残念ながら意識はなかった。
いつもと趣向を変えてみようと、身体をひっくり返す。足を持ち上げ、ひくつくそこに怒張を押し当てた。
息を大きく吸い、ぐっと奥まで突き入れる。
「ッぁ"あ"ああアア!?!?」
目をかっぴらいて悲鳴に近い嬌声を上げる。背中は反り返り、じわりと汗が滲んでいた。
「あっ、あっ、…な、なに…っして…?」
「寝バック…だったか?」
ごりごり前立腺を抉ると、嬌声は泣き声に近くなる。
「ゃあっ…やらぁ…っ、たしゅけ…んっああっ…!」
ガツガツと好きに突き上げられ、もう少し奥に進めそうな体制は気持ちいいが何かが足りない…。気持ちよさか?
ビーフステーキは容赦ない責めを止めることはなく、更に腰を推し進めた。その先にあるのは結腸の入口のみ。いつもなら赤ワインの顔色を伺いながらそこに手を出すが、今のビーフステーキには気にする余裕もなかった。
「ひっぐぅ、っ…!そ、こ…だめ…っ、びふ…やらっ、や、…ッあ"あああっ!!」
ごりゅ、と亀頭が入口をこじ開けた。容赦なくじゅぼじゅぼと抜き差しをするために、赤ワインの身体は痙攣を起こし、先から勢いのない精液をだらだらと零していた。
「も、…ぬけっ!!」
結腸の刺激で意識は覚醒したのか、潤んだ瞳で睨んでくる。
「まだだ…。」
「はあっ?…あっ、ぅぐっ…おぐッ…、だめ"ぇっ…!」
ぽたり、赤ワインの背に汗が落ちる。その刺激にも感じるのか腰が揺らめく。
「きもち、いいんだろ、っ!」
「よ"ぐ、ないっ…!ンぐっ、ゃ、イぐ、ぅっ…!」
色の薄い精液を吐き出してくたりとベッドに沈み込む。その身体をゆさゆさと揺さぶるとそれに呼応するように嬌声があがる。
「もっ…、だせ、ない…、ぁ"あ"っ、」
「まだだ…、まだ、いけるだろう?」
ビーフステーキは赤ワインの身体をひっくり返す。繋がったまま、腸壁を抉られた赤ワインはびくびくと身体を震えさせた。
ビーフステーキは己の怒張の形が浮き上がる腹を愛おしげにに撫でる。
「ここがいっぱいになるまで…、まだだろう?」
悪魔のような提案に赤ワインは身体を震わせた。逃げを打つ腰を捕まえ、奥にガツガツ突っ込む。
「ッッッ!!っあぐ…っ、ぅ"ッ、ぁ"あっ!ゃ"め"へっ、も"っ、イき、ッたく…なぁ"あっ!!」
細い腰だな。
ビーフステーキは場違いにそう思った。折れそうな腰をくねらせ善がり狂うのは加虐心を唆られる。白磁色の肌にはきっと赤が似合うだろう。片足を肩に乗せると、更に奥まで届いたのか赤ワインは背を仰け反らせ絶頂を迎えた。顔の前に足を寄せ、透き通る肌に歯を立てる。プツリ、と皮を破る感触を感じた。
「ぁ"あ"あ"あ"あ"ッッッ!!」
部屋中に絶叫が響く。完全に萎えた赤ワインのそれを見て痛みは良くないと、頭の片隅に書き置く。
「ぅっ、ひぐっ…、」
与えられる情報がキャパオーバーしたのだろうか、嗚咽を漏らし始めた赤ワインにビーフステーキはおろおろと狼狽える。
「赤ワイン痛いのか…?済まない…、済まない…、赤ワイン…。」
「ぬ、けっ!!ばかうし…っ!!ばかっ、ばかぁっ!!」
本格的にぐずり始めた赤ワインを宥める手段を持たないビーフステーキは、萎えたものをとりあえず抜き、抱き締める。
ぽかぽかと殴られるが、力なく殴られても痛くも痒くもない。
「悪かった…泣き止んでくれ…。」
そろり、と頭を撫でればぴくりと身体が強ばった。殴られるかと身構えたが、拳が飛んでくることはなかった。恐る恐るそのまま撫で続けると段々身体が弛緩していく。

落ち着いたのを確認すると、身体を離した。
「見苦しい姿を見せたな。」
離した途端シーツに包まり、顔は全く見えなくなった。その体勢で威勢を張られても滑稽なだけなのだが。それを口にすればもっと面倒な…それこそセックスが出来なくなってしまうので我慢する。
「いや…、それより足の怪我は…、」
「貴様…思い切り噛んだな…治るまで時間がかかりそうだ…。」
溜め息が微かにだが聞こえてきた。このシーツ、以外と音が籠るみたいだ。
そこで、ビーフステーキの頭の中には更なる欲望が顔を出す。


シーツに包まる赤ワインは気づかない…。そこに迫る影に。

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あきゅろす。
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