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生まれて初めての生々しい死。
それが幼なじみの死だった。

綾は行方不明になって5日後に土手で発見された。
発見したのは警邏中の警官。
誰かに暴行され、そのまま放置されて発見された時にはすでに息はなかったという話しだ。

身体中に殴る蹴るの打撲痕。手足肋骨にはかなりの骨折ヶ所があり、歯も相当数折れていたという。
直接の死因は脳挫傷。
顔も判別出来ないくらい晴れ上がっていて、制服と生徒手帳からようやく身元が判明したくらいだった。
もちろんそれだけではなくきちんと歯形とDNAの鑑定もされた。
その答えたは確かに水上綾で間違えなかった。

しかし、小学校からずっと一緒だったのだ。
仲が良かった。
中学に上がり、何気ない一言でその関係は崩れてしまったけれど、それでも“親友”を間違えるはずがない。
身元確認されたとき「違う」と答えた俺の自信を科学がそれを打ち崩した。
大人達は友達の死を受け入れられない子供の戯れ言と聞く耳を持ってさえくれなかった。

どれほど悔しかったか。
自分のとった行動をどんなに後悔したか。

何一つ納得がいかなかったから、俺は自分で確かめられる機会を待つことにしたのだ。

腹のそこから震えが来そうなほどの興奮。
やっぱり俺が正しかったと叫び出したいくらいだ。

綾に会えた。


それだけで全てが解決するとは、思っていない。

許されない事をしたのだ。
嫌われて当然の仕打ちを。

でも心のどこかで、会えさえすれば全て元通りになると思っていたのも確か。



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