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B


なんとか進級して2年になった21歳の秋。
久しぶりに和音から電話が来た。
その頃にはもうほとんど連絡はなく、1〜2ヶ月に一度警察からの連絡の有無を確かめるメールだけだった。

「久しぶりだな。」
相変わらずどこか疲れたような声が耳に届く。
和音もずいぶん苦しんでいた。
許されても、いいのではないか。そんな風に思うのは自分が許されたかったからか。

慰める事も出来なかった。

彼ももう、あの頃のように笑う事がない。
口元をわずかに引き上げてようやく笑む。

だが、その日は違った。
どこか興奮したような声。
電話口で早口で捲し立てられた。

「…………え?」

その知らせはずっと待っていたものだった。

だが待ちすぎたせいか、どこか現実味がなかった。


「ハルガ、キノウ、ミツカッタ。」


少し離れた場所にある警察病院。
和音はそこに来てほしいと、短く伝えてきた。

警察病院。
嫌な予感がした。

通されるのは、病室か、それとも………。


タクシーから降りて見渡す。
大きな警察病院。
警察病院というから少し構えてしまったが、一般の外来もいて町の市立病院となんら変わらずなぜか安心した。
走ってきた訳でもないのに、ドキドキと心臓がうるさい。
ザワザワうるさい待合を抜け、電話で教えられた病棟を案内板で探す。

霊安室は地下というイメージが強い。
和音に教えられたのはBから始まる階ではなく、F5。
少しだけ安心していたのに案内板でその棟が隔離病棟というのは気になった。
が、今はとにかく急ぐ。



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あきゅろす。
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