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A

受験は、俺も和音も上手くいかなかった。
当たり前だ。
勉強もしていないし、なにより春生の事が気がかりでそれどころではなかった。
親にも呆れられた。
いい加減にしろ、と。
所詮は他人だ。
そんな事を言う両親がとても鬱陶しかった。
自分だけはそんな人間にはなりたくないと思った。

だが、時が経つと少しずつ、少しずつだが春生を探す時間が減っていく。
人間とは薄情なものだ。
春生を思いながらも予備校に通い、和音とも以前より連絡はとらなくなっていた。


新しい人間関係も出来て翌年、俺たちは違う大学に進学した。


このまま、昔の出来事として忘れていくのだろうか………


そんな事を思いながらも気まぐれのように警察に行ってみたり、パソコンで行方不明者のサイトを見て回ったりする日々を過ごしていた。

惰性だったのかもしれない。
心はもう諦めかけていた。
ただ罪悪感から逃れたくて形だけ動いていた。


出来る限り探したのだ。
義務は、果たした。

そう言い訳をしたくて。

笑える。

誰の為の言い訳だ。

本当に俺は浅ましい………。

過去のこと、と思えたらどんなにいいだろうか………。
何度思ったか分からない。
でも気持ちは少しも色褪せてはくれなかった。


そうしてまた1年が過ぎていく。





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あきゅろす。
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