罰
あの子が、春生がいなくなって3年経った。
あの日の翌日近くの警察署で春生の捜索願を出したが、未成年の家出だと言うのに警察は思うほど真剣には捜査してくれなかった。
事件性がなかったからかもしれない。
俺たちは必死に探した。
それでも心のどこかで中学生の家出、と高を括っていたのかもせれない。
近くの児童公園にでもいるのだろうと。
泣いて、ブランコにでも座っているだろうと。
河原で蹲っているかもしれない。
それとも学校だろうか。
思いつく限りを探した。
学校のクラス名簿は今は個人情報の関係で見せてはもらえなかったが知りうる限り、クラスメイトに聞いて回った。
だが、思った通り春生に友人らしい友人はあまりいなかった。
高校生とは言え子供には変わりなく、出来ることは限られていた。
しまいには近所の消防団の人達も加わって大がかりな捜索となった。
だが春生はその日も、次の日も……1週間たっても1ヶ月経っても見つける事が出来なかった。
もちろん自分から帰って来る事もなかった。
まさか自殺したのでは、とその手のニュースを聞くたびにどんなに遠くの警察にも赴いた。
しかし、春生は見つからなかった。
俺たちの関係も、あれ以来だ。
二人で交わす会話もめっきり減って、親友でもいられなくなった。
体の関係も、あれっきり。
だが、春生のことがあったから連絡だけは取り合っていた。
春生と和音の両親は……、何度か帰国し警察には行ったが興味がないとばかりにすべて和音にまかせっきり。
それどころか、受験を優先させろ、と言ってまた海外出張に行ってしまった。
腹立たしかった。
それでも親かと言いたかった。
殴ってやりたかった。
しかし、第三者の俺には何も言えなかった。
春生の孤独を、今更ながら考えた。
いくら兄貴や俺がいてもきっと埋める事の出来ない寂しさはあったはずだ。
和音へのコンプレックスも本当は知っていたのに・・・・・・・・・
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