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黒いエナメルドグラスの馬
黒いエナメルドグラスでできた馬がいた。
馬は少女の所有物だった。闇の様に黒いその身体を見ては、少女は嫌な顔をした。
「黒は嫌い、なんだか不安になるもの。」
そう言って、少女は黒いエナメルドグラスの馬を床に落とした。グラスは粉々になり、少女の目に飛び込んだ。
その日から、少女は黒の世界の中に閉じ込められた。
彼女の黒い世界では、毎日只々耳鳴りがした。
低い男の声が、耳元で囁くのだ。
「俺の色、ぜんぶやるよ、」
ふわり
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