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2話


引っ越してから数日。なんだかんだで生活は馴染んでいる。昔と違って今、住居はシティにある。だけどサテライトへ赴いている時間の方が多いかもしれない。
先日、久々に遊星やジャック、クロウに顔を見せたときにまた遊びに行ってもいいか聞いたら快い返事がもらえたのであれ以来度々お邪魔している。
三人といるとサテライトにいた頃を思い出す。懐かしい!けどどこか新鮮でもある。それはきっと私も、皆も成長したからだと思う。
今日もいつものようにお邪魔している私。手土産に持参したお茶菓子と紅茶はなかなか気に入ってもらえたみたい。よかった!
そろそろカップの中の紅茶がなくなりそう。そんな時に来客を知らせる声。私には聞き覚えがない声。
…もしかして、邪魔かな。もし大切な来客なら相当空気読めてなかったな…帰り支度をはじめようとしたら遊星に止められた。

「お客さんでしょ?私、帰るよ」

「何故、なまえが帰る必要があるんだ」

「え?」

「これから来るのは俺たちの仲間だ」

なるほど。そういうことか。邪魔になるかと思ってしまった。ならもうしばらく此処にいさせてもらおう。シティに帰っても一人だし…それにこの空間が昔から凄く、私は好きだから!
かつかつ、と足音が聞こえて遊星が仲間と言ったお客さんがやって来た。その人を見て驚いた!女の子!てっきり男の子とばかり思っていた。だってジャックもクロウも男だし。
先入観だとわかってるけど驚いたのも事実。しかも凄く可愛い子!私はなんというか、雷撃に打たれたような衝撃を受けた。
なんだか胸がドキドキする!そう、ドキドキする。可愛い、と思ったのは事実だけど、それだけじゃない、このドキドキは!まるでそう、恋のような。

「どうしたなまえ、一人で赤くなって」

ジャックに突っ込まれてはっとした。ドキドキに頭がぐるぐるしてぼーっとしてしまったらしい。しかも顔まで赤くなっている、なんて!

(ああもう!きっと変人だと思われてるよ…)

穴があったら入りたい!そんな気分。一人でわたわたしている私に不思議そうな顔をした遊星が改めて彼女を紹介してくれた。

「十六夜アキ、ちゃん…アキちゃん、って呼んでもいいかな」

「ええ。あなたは?」

「私はなまえ。私のことも好きに呼んで」

「わかったわ。なまえ」

名前を呼ばれただけなのに、ただそれだけなのに。胸の高鳴りが止まらない!ドキドキ、どきどき。なまえという聞き慣れすぎた自分の名前が、なんだか特別に聞こえてしまう。
お客さんが来るのにいてもいいかな、と少し前は思っていたはずなのに、今はここに来ていてよかった、と思っている。わかりやすすぎる、と言われてしまえばそれまで。だけど、素敵な出会いに今は感謝したいのだ。
ビビっと、恋の稲妻に打たれた、なんて。私らしくない言葉だけどまさにそうなのだ。一目惚れをはじめて経験した瞬間である。
これから少しでも距離が縮まればいいな。遊星の仲間なら、またここに来れば会えるかな。
私の中の何かを弾けさせたアキちゃん。クールで綺麗な女の子。まずはお友達から、お願いします!




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恋に性別は関係ない!だって運命!

アキちゃんメインなのにアキちゃんの影が薄い…
タイトルは(アキちゃんに)びびっと(きた!)という意味です




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