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ささやかな温もり
「銀時」

名を呼ぶ声に目を覚めた。布団と腕の隙間からごそりと何かが入り込む。かと思えば、軽く後ろに引かれた。首筋にかかる気だるそうな掠れた吐息が、声が。嫌でも情事を思い出させる。

「なに」

回された腕に力がこもり、動く事すらままならない。機嫌が良いのか悪いのか判別出来れば言葉を選べるのだが、全く分からなかった。
冬が近いのか最近は朝晩もかなり冷え込む。触れた背からじんわりと体温が伝わって、一瞬身を委ねたくなった。

「高杉…腰痛ぇんだから離せよ」
「……るせぇ」

ひた、と首筋に何かが触れたかと思えばちくりとする痛み。ああ、こいつ朝から盛る気なんだ、とぼんやり思った。手元に時計は無く(布団の中だからあってもよく見えないのだが)今の時間をはっきりと知る術は無い。生憎俺は窓に背を向けているので太陽が出ているのか否かも確認出来ない状況で。
きっと高杉が居るからまだそんなに早い時間ではない筈なのだが、朝から盛られて神楽や新八に情けない声を聞かせる訳にはいかない。

「う、わ…やめ、」

首を舐められたと同時に情事後のまま乱れた服の隙間から細い指が侵入する。その冷たさに驚いたのであって、別に感じてなどいない。断じて俺は感じてない。

「盛らねぇよ…まだ早ぇんだ、寝てろ」
「ったら手抜けよ…」
「てめぇは体温高えな」

子供体温だと言いたいのだろうか、こいつは。けど俺の体温が高いんじゃなくてお前が低いんだろ、と思った。
どうやら早朝…とも夜明けとも呼ぶには早いらしく、高杉が黙り手を止めればすぐに軽い眠気に襲われる。力が緩んだ腕を退かし、向かい合う様な抱き合う様な体勢になったあと、眠気に抗う事も面倒でゆっくりと身を委ねた。触れあう肌から体温が溶けて混ざり合う。

きっと次に目が覚めた時にはこの温もりは無いのだろう。それなら。今だけでも浸っていても構わないだろうか。
夢に溺れる寸前、唇が温もりに触れた気がした。



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******
授業中の「眠い」と「ハァァ高銀かわええ」と「急遽自習」が重なって出来ました。高銀が同じ布団に居ると思うと可愛すぎて溜め息しか出ないのですが、銀時のあの布団に男二人は狭そうですね。
お粗末様でした。


  

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