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011-020
<長く待った失恋>(高←銀)銀時視点


漸く言った。高杉の表情には驚きと戸惑いが見える。当然だ。急に男から好きだと言われたところで喜ぶ奴なんて居ない。これで良かったんだ。最初は結ばれたい、と思った。けれどもそれは高杉を困らせるだけ。直接声を聞いて、諦めるために好きだ、と言った。俺はただその唇が拒絶を表すのを待っている。


<ごめんね、君が好き。>(村塾高←銀)子銀視点


なんで泣いてんだよって言われた。でも言えない。言ったら終わるから。また一人になるから。涙が止まらない。止め方も知らない。ぽろぽろと落ちていく。なんで俺も高杉も、男なんだろう?せめて俺が女だったら、言えたかもしれないのに。その想いに気付いたことを謝りたくて、ごめんね、とだけ言った。


<「嘘は吐かないって約束だろう?」>(高銀)高杉視点


どうせ嘘なんだろ、といった目を向けられた。人が折角言葉にしたというのに。まあ男が男に告白、なんて普通なら誰だって嘘だと思うだろう。けれどもそれは偽りのない本心、だった。あの日俺はお前を傷付け、そして約束を交わした。その約束は俺を縛り続ける。それで良かった。だから耳元で言ってやる。


<永遠よりもこの一瞬を。>(高銀)銀時視点


ちゅ、と小さく音をたてて唇が離れる。それに続くように扉が閉まった。慣れたとは言えやはり離れるのは寂しい。先程まで触れていた唇をなぞる。まだ温かい。キスをする一秒にも満たない時間の方が永遠なんて曖昧なものよりも愛しく思える。追われてる高杉と一秒でもそこに在れたことがただ嬉しかった。


<答えを知っていながら未だに問う>(高→銀)高杉視点


目を閉じれば、遠い日の記憶を昨日のことのように思い出せる。銀時の表情も、声も、仕草も全部鮮明に。そして思い出す度に苦しくなる。息が上手く出来ない。苦しんで、苦しんでやっと気付く。愚かであったと。後悔する。銀時に惚れたことを。それから漸く眠る。俺はあと何日この日々を繰り返せば良い?


<重ねた手だけが人の証明であるような>(攘夷高←銀)銀時視点


人を斬った。声が出ない。俺は鬼になったのだ。震えのせいか刀が呆気なく手から零れ落ちた。掴もうと伸ばした手が熱くなる。高杉の顔。指が絡む。熱い。鬼と呼ばれる男の手はひどく温かかった。重ねた手だけが人であるような気がして。まだ、俺を留めていてくれるような気がして。ただ喚いて、泣いた。


<知った分だけ、壊れてしまいそうになるから>(高→銀)高杉視点


最初から分かっていたのかもしれない。あいつが、俺のものには決してならないことも。隣にいないことも。最初から知っていた。あいつが優しいことも。なにも壊せないことも。それでも求めた俺の末路を知っていたかのように刀が鳴った。鬼の瞳をした男笑う。その笑みの意味さえ知らないふりをしたのは。


<お前が俺を嫌うまでは、>(高→銀)高杉視点


俺のことを嫌いだと言ってくれ。憎いと叫んでくれ。俺はお前に重すぎるものを背負わせた。否、背負わせ続けている。お前が俺を嫌いだと。憎いのだと。叫んだなら俺は死んだっていい。お前が過去から解放されるのなら。俺のことを捨てたって構わない。けれど、お前が俺を嫌うまではどうか愛させてくれ。


<そして溜息を1つ>桂視点


よく飽きもせずに喧嘩できる、と思うのだ。奴らを見ていると。大抵どちらかが喧嘩を吹っ掛ける。そんなことをしたら発展するのを分かっていないのだろうか…。いい加減学んでほしい。喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったものだな。仲が良いのは構わんが宥める俺たちの身にもなれ、と何度思ったことか。


<小さな世界で君と二人、僕らは隠れてキスをする>(村塾)高杉視点


高杉、と呼ばれた。心臓がとくり、と鳴る。赤色の瞳がまっすぐ俺を見てた。なに。そう言ったら、唇が小さな声で言葉を刻んだ。俺を好きになってくれてありがとう、と。抑えきれずに、キスをした。誰もいない部屋の中。障子から夕陽が淡く入る。なんだか恥ずかしくて。嬉しくて。二人でくすりと笑った。

@bot_yubikiriより拝借。




  

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