次の満月まで
※設定上銀高っぽい表現がありますが高銀です。
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「高杉、血ィちょうだい」
「またてめェかよ」
「そうそう、俺。会いたかった?」
いつの間に入ったのか、その男は後ろから抱き付きながらそう言った。満月の日にだけ現れる男。柔らかい銀髪が肌に直接触れてくすぐったい。唇から洩れる吐息が全て首筋に掛かる。
この男の名は銀時といった。本人曰く、吸血鬼なのだとか。
「会いたくねェよ」
「銀さん直々に会いに来てあげてるのに酷くない?それ」
拗ねた様に言いながら、俺の首筋に唇を押し当ててきた。最初は男にキスをされている、という事が飲み込めなかった筈なのに今では気にならないのだから慣れとは恐ろしい。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、首筋を鋭い痛みが駆ける。この痛みだけは、いつまでも慣れなかった。
「ッ…!」
肌を刺し、奥へと埋まる牙。こいつが吸血鬼である証が血に染まり行く。溢れた血が鎖骨を伝い、服に染みる。
熱い吐息と共に牙が抜かれ、更に血が溢れ出した。
「お前の血やっぱ甘さ足りねぇ……もっと甘いもん食えよなあ」
「…もう入れてやらねぇぞ」
「はぁ!?別にお前の血が悪いなんて言ってねぇじゃん俺!に、睨むな!お願いだから!睨まないで!!」
そう言って慌てる銀時の腕を思いきり引き寄せ、強引に唇を奪ってやる。歯がぶつかった気がしたが、そんな事構わなかった。
顎を固定し、開いたままだった唇から舌を入れれば、すぐに銀時の声は甘くなり熱を帯びる。絡む舌から微かに血の味。
「ん、ふぁ…は、や…んぅ…」
漏れる水音が、首の痛みが。やけに遠くに感じられた。息が苦しいのか、肩を叩かれる。下唇を軽く甘噛みして離してやれば僅かに潤んだ紅い瞳と、瞳の様に色付く頬で睨んできた。
「ッ…はぁ、は…」
妖艶、と称するのが最もなくらい美しい。垂れた唾液を手で拭うその姿。
耐えられなくなって俺にそうした様に、銀時の首筋にキスを落とした。噛み付いてやっても良かったのだが、血を吸う気にはなれなかった。代わりに、一際強く吸い付いて痕を残す。
これでてめぇは俺のものだ。俺の首筋の痕が印であるように。
「高杉?」
「銀時、てめぇ今日は朝までいろ」
「えっ?え?いいけど…え……?」
もう一度引き寄せてキスをする。
今までのどのキスよりも優しく、甘く。そして深く。
銀時の首筋を指で撫でながら、この痕が次の満月まで消えなければいいと思った。
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吸血鬼受けって美味しくないですか。私は好きです。
銀時は毎日来てるつもりなんだけど、高杉の感覚だとそれは1ヶ月だったら素敵。それで銀時からすれば1日だから痕が消えてなければもっと素敵!
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