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寒い日には二人で
ふと窓の外を見れば、白い雪がふわふわ舞っていた。今年は例年よりも気温が低いらしい。
凍りつくような空気の所為か、背筋がぞくりとした。
こんなに寒いのに俺を抱きしめるこの男は普段と変わらない格好。こいつ馬鹿なんじゃないかと思う。

「さみー銀さん凍死しちゃうー」
「暖房器具でも買えばいいだろ」
「そんな金あったら買ってますうー」

今まで金欠でも然程困らなかった。しかし今年は違う。何が悲しくて、男に抱きしめられながら寒さを凌がなければならないのか。あー寒い。

「なぁ高杉、今日ってクリスマスイヴなんだぜ」
「だから何だよ?」
「いや、だからさぁ…」

「悪ィが、暖房器具なんぞ買わねぇぞ」

―ばれていた。分かっているならせめてカイロくらい箱で買ってきてくれてもいいだろう。
世の中の少年少女たちは今夜には欲しい物を貰える日だ。だったら俺にも暖房器具の一つくらい恵んでくれてもいいだろうに。
え、銀さんは大人だって?いやいや、心が少年のままだから少年扱いだからね。

「ストーブとは言わねェからよ、せめてカイロ2箱…いや、3箱だけでいいから」
「買わねぇよ」
「なんでだよ!?お前がカイロ4箱買うだけで俺が越冬出来るかが決まんだぞ!!高杉くんだって銀さん居なくなったら嫌で…」

腰にまわされた腕にぐっと力が入る。それに驚いて言葉が途切れた。そのまま顔が近づき、唇が触れる。

「ちょ…っ」
「キスぐれぇなら、いつでもくれてやっからよ」

表情を変えずにそう呟く高杉。言われたこっちが恥ずかしくなってくる。

「いっ、いらねーよ!!欲しくねェわ!!!」

咄嗟にそう言ったものの、急に体温が上昇し頬に熱が集まったのをきっとこいつは見逃さないのだろう。
ああ、でも。俺がそんなのも悪くねェかななんて考えてるのは分かんねぇだろうな。

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