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呆れられるくらい、幸せ
「うう…最悪」
「ちっ…ありえねえ…」

戦での疲労のせいなのか、寒暖の差なのか、攘夷志士たちの間では風邪が流行っていた。殆どの者は喉の痛みや咳、鼻づまりで済んでいるようで、大きな支障は出ていない。ただ、一部の者は熱や頭痛を訴え、戦に参加出来る状態ではなかった。
『白夜叉』と恐れられている銀時と、鬼兵隊総督の高杉も一部の者、である。

「これ、ぜってえお前に移されたわ…ゲホッ」
「…ん"、てめえが俺に移したんだろうが」
「あ?な訳ねーだ」
「うるさいぞ貴様ら、熱があるのなら静かにしていろ」

がらりと障子を開けて入ってきたのは桂小太郎だった。大きく溜め息を吐いた桂を見て、高杉と銀時は言い合うのを止める。手際よく持ってきたお粥を二人に渡した桂は、「ちゃんと食べておけ」とだけ言うとすぐに障子を閉めてしまった。
気まずいのか、二人は何も言わずに粥を食べ始める。しかしその表情には不満が隠しきれておらず、声にはせずに心で相手に散々言っているのだと伺える。

******

「なぁ…高杉、寒ィ」
「あ?」

粥を食べ終わり、暫し布団で横になっていたとき唐突に銀時がそう呟いた。見れば、先程よりも顔色が悪い。布団の外に出ている手が時折震えているのが分かるが、自身で動かす気力など無いように思えた。高杉も熱が先刻よりも上がっているようだが、気だるげに伸ばした手で銀時の手を握る。

「…………ありがと」

一瞬驚いたように目を開いた銀時だったがすぐに理解シタのか小さく笑い、消えてしまいそうな声で呟いた。そして弱々しく手が握り返される。じんわりと伝わる高杉の、普段より高めの体温が心地いいのか銀時はすぐに眠りに落ちたようだった。それを見て高杉はゆるく口角をあげ、同じように目を閉じる。ごそり、と動いて銀時との距離を詰め、そのまま思考を停止させた。





「あん二人はいつからホモだったんか?」
「…村塾に居た頃からだな」
「えっ」

はあ、と桂は溜め息を吐く。それは呆れているようにも見えるし、自嘲しているようにも見える。

「まあ、もう慣れたがな…」

二人が眠りについたのを確認し、障子を静かに閉めた。



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どちらかが風邪引いてる高銀も可愛いですが、二人で仲良く風邪引いてる高銀も可愛いと思います。

  

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