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それは星よりも綺麗で
「星ってこんなにきれいだったんだ…」
「見たことなかったのか?」

外灯から少し離れたところにある小さな丘。そこに、松下村塾に通う少年…高杉と銀時は居た。柔らかい草に身を委ねれば視界をうめつくすのは深い蒼の空と、無数に瞬く星々。その美しさは肌を刺すような冷気さえも忘れてしまうほど。

「……おれが、汚く見えるから見なかった」

ひどく間をあけ、消えそうな声で放たれた言葉からは悲しみも苦しみも怒りも感じられなかった。それが二人の間に沈黙を生む。
暫くして銀時が思い出したように口を開いたのと、高杉が言葉を紡いだのが同時に重なった。

「銀時」
「_……なに?」
「こっち向いて」

普段よりも幾分優しい声音に促されるまま、視線を高杉へと動かした銀時の瞳をうめたのは、高杉の、真剣で熱くて凛とした表情だった。初めてのそれに、銀時の心臓がどきりと跳ねる。

「お前きれいだな」
「…っ、ば、ばかだろお前…。男に、きれい…とか」
「ほんとのことだろ」
「…………じゃあ、髪とか目とか、こわくねぇ…の?」

銀時の瞳が何度か揺れた。その先の言葉への不安と期待が混ざったような顔をしている。

「あたりまえ。こんなきれいなのに、こわいわけねぇだろ」

その声音には、哀れみも優しさも感じられなかった。普段、村塾で話すときと、変わらない声。

「…ばか、ばか…!!ばか杉…!」

それが、凍った感情を溶かしたのか嗚咽と共に雫が銀時の頬を濡らす。『きれい』という言葉を望んだ訳ではなかった。ただ、『こわい』とか『汚い』とか。それ以外のものを求めただけ。

「…銀時」

名を呼んだ高杉の指が目元をなぞったかと思えば、更に求めた以上の言葉が銀時の耳へと届いた。銀時は頬を紅潮させる。嬉しそうに口元に手の甲を当て、涙の溜まった目を細めた。


「おれはお前のこと、好きだぜ」



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後日二人はお付き合いを始めます。多分。
そして課題が終わりません


  

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