第五話 オタマロミ!? 「お兄ちゃんずるいわよ! こけらさんはわたさないわ!」 窓ガラスを頭突きで砕き、オタ○ロというポ○モンを頭に、体がド○ミらしき物体が現れた。 「お、オタマロミ!?」 完全に思考が停止した。 停止でもしないとこの展開についていけない。 てか、停止してもついていける自信がない。 「お、オタマロさん……? だ、誰ですかこの人(?)?」 「こいつはな、僕の妹や」 えっと、はい。 まあ、予想ついてました。 これ明らかド○ミだもん。 「そ、そーっすか……」 納得できる俺も、ついに正常から外れてしまったな。 「こけらさん!だまされたらだめよ!」 「こけら君!オタマロミにだまされたらあかんで!?」 兄妹そろって、眉毛を八の字にしながらこっちに向かって叫ぶ。 一人(?)だけならシュールだけど、二人(?)もいるとホラーです。 「いや、あのちょっと、ホント話読めてま……」 ドゴォオオオオン 「って、アウチ!」 オタマロミさんが空気砲(?)をこちらへ向けて撃ってきた。 間一髪よけたが、アウチって何ですか……。 「これは本格的な戦闘に備え、強化した空気砲よ」 ド○えもんに本格的な戦闘シーンなんてあったっけ。 そしてまた、オタマロミさんがその空気砲を構えた。 「お兄ちゃんにはここで死んでもらうわ」 え、ええ、えええ!? 何この話、そんなシリアスだったの!? 「お兄ちゃん、今までありがと……」 涙目なオタマロミさんの視線の先には、PSPでぷよぷよをしているオタマロさんが居た。 「お前何やってんのぉお!?」 「ん?ぷよぷよ」 「いやそうだけどもさ!妹さんの話聞いてやりなよ!」 えー、と言わんばかりにPSPを静かにおいた。 そして飛び上がり、前に出した足がオタマロミさんの腹をみごとにヒットした。 これを人は、とび蹴りという。 「おいいい!ちょちょ、何蹴ってんのおおお!?」 オタマロミさんは声も出ないほどの蹴りをくらい、窓から外へと飛んでた。 「さよなら、さよなら、さよなら。 もうすぐ、外は〜白〜い冬」 「歌うな!そして外は暑い夏だから!!」 俺のツッコミを完全無視で、オタマロさんはまたPSPでぷよぷよをはじめた。 しばらくの沈黙。 「おにぃいちやあああああああああん!!」 地獄からでも這い上がってきた勢いで、オタマロミさんは窓から顔を出してきた。 「ひぃいい!」 思わず悲鳴を上げてしまう表情。 「なんや、生きてたんか」 うあ、オタマロさん結構ひどい人だな……。 ▲ [戻る] |