第四話 つ、ツッコミ?
「袋隠大将って、一体。一体、何なんですか……?」
オタマロさんは俺の顔を見た後、ゆっくり息を吸った。
そして、
「ぶすしゅああああああ!」
「うぎょぅあ!!」
俺の顔面めがけて口から水を噴き出した。
噴き出した水の勢いで上半身がうしろに倒れ、ドアに後頭部を強打した。
「ぐぶあっ!!」
水とドアの二連打ってどころじゃない。
何食わぬ顔をしてオタマロさんは続けた。
「みずてっぽうだ」
今回はドヤ顔ではなく、キリっとした顔をしていた。
そこで俺はついに、
「キリッとしてんじゃねーよぉおお!なんで袋隠大将について聞いてるのにみずでっぽうぉおお!?勢いありすぎて後頭部強打!リアルに今涙目だわ!!」
今まで内心ツッコむだけだったが、あまりの突然さから理性が飛んで大声でツッコんでしまった。
「……あっ」
やば。
みずでっぽう使えるなら他のこともできるだろう。
殺されたらどうしよう……。
まずはやっぱり、謝ろう。
「あ、あのう、オタマロさん……。ほ、ほんとすみま「ええ、ツッコミや!!」
オタマロさんが叫んだ。
は、はい?
「袋隠大将は、ツッコミがうまい人間がなるねん!
せやから僕は、こけら君とお友達になりたいんや!!」
いまだに状況がつかめていない俺。
「つ、ツッコミ?」
「せや!そんなにすばらしいツッコミができんのはこけら君だけや!」
んん?
褒めてるのか……?
「そのツッコミに惹かれてこけら君を捕らえようとするやからがおってな、僕はこけら君が捕らえられる前に助け」
オタマロさんが言い終わる前に、見事窓ガラスが砕けちった。
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